◆センバツ最終日 ▽決勝 智弁学園3-7大阪桐蔭(31日・甲子園

 7回7失点で準V投手となった智弁学園の杉本は、歓喜に沸くマウンド上の大阪桐蔭ナインを悔しそうに見つめた。5試合で42イニング、626球の熱投。

この日も球数制限まであと3球の128球を投げ、今大会自己最多10奪三振も7回7失点で及ばなかった。「優勝できなかったのは、自分の実力のなさ」と、村上頌樹(阪神)を擁した16年春以来の優勝を逃した責任を自身に向けた。小坂将商監督(48)は「ここまでチームを引っ張ったのは杉本」と、エース左腕をねぎらった。

 1点を追う6回1死、2年生の4番・逢坂悠誠が逆風を切り裂く右翼ポール際への同点ソロ。逆転Vの雰囲気も漂ったが、7回に杉本がつかまった。先頭から3連打されて無死満塁。押し出し四球で勝ち越され、遊ゴロと黒川虎雅の左前2点打で突き放された。「桐蔭打線は全員、真っすぐでも変化球でも当ててくる。甘く入って仕留められた」と唇をかんだ。

 31日付で勇退した井元康勝部長(75)を有終Vで送り出したかった。「最後、準優勝で終わって申し訳ない。優勝を贈りたかった」と残念そうな表情を浮かべた杉本。

だが、43年間の化学科教諭生活と約20年間の野球部長生活を終えた井元氏は「100点満点」と現状の実力を出し切ったナインをたたえ、「やられたらやり返せ。夏に優勝せえ」と、悔しがる孫ほどの年齢の選手たちを励ました。

 夏の聖地初Vへの戦いはこの日から始まっている。杉本は「この大会で打たせて取ることも学んだ。体力、メンタルを一から見直し、ここ一番で0点に抑える力をつけたい。夏までにしっかりやる」と、きっぱり。甲子園の借りは甲子園で返す。(田村 龍一)

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