◆センバツ最終日 ▽決勝 智弁学園3-7大阪桐蔭(31日・甲子園

 父譲りの力強いスイングだった。「おかわり君」の愛称で知られる西武・中村剛也内野手(42)の長男・大阪桐蔭の勇斗が、好左腕・杉本の直球を捉えた。

2回1死二塁、1ボール2ストライクから外角の141キロを右前適時打とした。日本一へとつながる先取点をもたらし、「先制打がしっかりと打てて良かったです」。くしくも、父の有名な本塁打談話と同じフレーズで喜びを表現した。

 弱い自分と決別した。昨秋の近畿大会準決勝で神戸国際大付(兵庫)に敗戦。自身は8回の守備から出場したが、試合後には報道陣に囲まれた。結果ではない部分で注目され、取材後には涙したという。救ってくれたのは西谷監督の言葉。「こうなっていくのは仕方がない。結果で見返すしかないぞ」。考え方を変えた。「『父が』と言われることもあるけれど、自分は自分。

切り替えられた」と中村。ひとつ大人になった精神面が、大一番で輝いた。

 父は出場できなかった甲子園で全国制覇。「(父には)しっかり勝てたと報告したい。春夏連覇に挑戦したいですし、優勝に貢献できるように」。偉業を見据える瞳に、もう迷いはない。(小島 和之)

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