◆春季高校野球東京都大会 ▽1回戦 世田谷学園11×―10明大世田谷(2日・スリーボンドスタジアム八王子)

 巨人・川相昌弘ディフェンスチーフコーチの第6子で四男の世田谷学園・川相俊輔内野手(3年)が「8番・遊撃」で出場し、同点三塁打を含む4打数3安打1打点2盗塁に犠打も決めるなど、攻守で逆転サヨナラ勝ちに貢献した。

 1点を追う9回1死三塁で、169センチ、60キロの小柄な右打者は魂を込めて振り抜いた。

鋭い打球が中堅の左を抜けて、芝生に弾む。同点三塁打だ。「打ってやろうという気持ちで、来た球をたたいて、本当に興奮しました」。2死後、高山洸太朗(3年)の中越え安打で逆転サヨナラのホームを踏み、「チーム全員で勝ち取れてよかった」と初戦突破に雄たけびを上げた。

 4、6回にはともに単打で出た後、50メートル6秒3の足を生かし二盗。7回にはプロ通算533犠打の世界記録を誇る父譲りの送りバントを一塁側に転がし、「決まってよかったです」とはにかんだ。

 6人きょうだいの末っ子は、小学2年で野球を始めてから父の言葉を胸に刻む。「毎日コツコツ。ハンドリングとか素振りとか1日10回でもいいから、毎日続けたら、1年でたくさんできることになる」。巨人育成選手だった次兄・拓也さん(エイジェックスポーツアカデミーチーム・ディレクター&講師)にもらったグラブを練習用で使い、自宅でも黙々と壁当てを続けた。

 背番号は昨秋の15から、ひとケタの4に。成瀬智監督は「足と守備があり、ずっとショートで期待していて、伸びてきた。

実戦的で野球勘がある」と成長を認める。川相は「父も兄も守備がたけている。自分が汚さないようにというか、緊張感はありながら、自分のしたいプレーができた」。この日は雨で緩いグラウンドでも、4個のゴロをきっちりさばいた。父に向けては「やれることはやったぞ!という感じです」と顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

 チームは1993年にセンバツ出場が1度あるが、夏の甲子園出場はまだない。「これで満足したらダメ。どれだけレベルアップできるか。守備と小技とチーム打撃でも貢献できるように。将来はプロ野球を目指していきたい」。控えめに言葉を選びながら、父と兄に続く大きな夢を追いかける。(雑誌『報知高校野球』取材班)

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