馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はハープスターが勝った2014年の桜花賞を取り上げる。

単勝1・2倍と圧倒的1番人気に推されたディープインパクト産駒が、最後の直線で17頭をごぼう抜き。主戦の川田将雅騎手は、確かな自信を手綱に乗せたエスコートでG1初制覇へ導いた。

 その表情は安堵(あんど)感で満ちていた。「本当にホッとしました」。デビューから手綱を執るハープスターへ、川田がようやく届けることができたG1馬の称号。「これだけの馬に乗せてもらっているので、本当にホッとしてます」。重大な責務を果たした28歳が表情を緩めた。

 フクノドリームが離して逃げる展開で最後方を進んでいたが、焦りはなかった。「いつも通りの位置で、この子が一番いいリズムで動けるように追い出しました。いい展開ではなかったですが、ゴールまでにつかまえられると思っていましたし、ヤバイと思った瞬間はなかったです」。最後まで揺らがなかった厚い信頼を乗せ、豪快に突き抜けた。

 1・7倍の1番人気を集めた昨年の阪神JFは、わずか5センチ差で女王の座を逃した。

「(ゴールの)前後で勝っていても、ゴールの瞬間に負けていたら意味がないんです。それを痛感しましたね」。馬群を突いてわずかに生じたロス。悔やみきれないが、その悔しさが勝利への執着心を生んだ。

 今年は43勝を挙げ、全国リーディングトップを快走。勝率25・9%は、昨年の16・6%を大きく上回り、勝率2位の戸崎(14・4%)を引き離している。報知杯弥生賞のトゥザワールドは4センチ差で勝ちきるなど、誰よりも勝利にこだわってきた。

 口取りで右手の人さし指を天に向かって伸ばした。「こういう馬ですから、そういう思いで1本立てました。ワンターンの1600メートルしか走ってないですが、距離はこなしてくれると思います。これからも頑張っていきたいです」。2本目は東京で、そして3本目は海を越えたロンシャンで―。

最高のパートナーとともに、再び無敗街道を突き進む。

 

 続くオークスではヌーヴォレコルトの強襲でまさかの2着。古馬の牡馬相手となった札幌記念を勝った後、凱旋門賞には挑戦したが、後方からの追い込みも届かずに6着だった。その後は勝ち切れず、4歳春には右前脚の故障が発覚。現役引退が決まり、あっという間に駆け抜けた現役生活を終えた。

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