◆米大リーグ ブルージェイズ1―4ドジャース(7日、カナダ・トロント=ロジャーズセンター)

 ブルージェイズの岡本和真内野手(29)が7日(日本時間8日)の本拠ドジャース戦で新システムを活用して山本由伸投手(27)から二塁打を放った。7回先頭で一度は見逃し三振の判定も、自動ボール・ストライク判定システム(ABS)でのチャレンジでボール判定へと覆り、その後、右中間を破った。

8日(同9日午前4時7分開始)の同戦は、先発マウンドに上がる大谷翔平投手(31)と公式戦初対決に挑む。

 迷わなかった。岡本はすぐさま右手でヘルメットをたたいていた。2点を追う7回先頭。カウント1―2から山本が投じた4球目、外角低めのスライダーに主審の腕が動いた。見逃し三振―。ベンチへ戻ると思ったその瞬間、岡本は即座に今季から導入されているABSでのチャレンジを要求した。「終盤でしたし、やるしかないと思った。迷ったら三振なので」。大型ビジョンが映し出したのはストライクゾーンから約1・6インチ(約4センチ)外れた球の軌道。ボール判定へと覆った。

 よみがえった。

熱狂で包まれる中、再び打席へ。「集中していた。出塁しよう」。感覚は研ぎ澄まされていた。フルカウントからの7球目。山本の外角低め96・2マイル(約154・8キロ)直球を捉えた。鋭い打球で右中間を破る二塁打になった。1打席目はシンカーで二飛、5回は直球で左飛。3打席目でHランプをともし、珍しく右拳を握った。

 心待ちにしていた再会だった。共に若くから活躍してきたが巨人とオリックスでリーグが異なり、対戦経験は多くない。NPB時代は通算で8打数4安打1本塁打だった。

WBCでは侍ジャパンのメンバーとして共闘。山本からは「すごく好きな先輩。つい話しかけたくなる」と慕われる。岡本はこれまで右腕が最高峰の舞台で活躍する姿を画面越しで見つめてきた。昨年のワールドシリーズもチェック済み。「日本でも対戦は少なかったし、テレビで見ていたのですごく楽しみにしてた」。屈指の実力を持つ後輩とメジャーで初勝負。18・44メートルを挟んで濃密な時間を過ごした。

 チームは悪夢の6連敗。8日(同9日)の同戦では大谷がマウンドに君臨する。巨人時代の16年にオープン戦で1度だけ対戦し三振に倒れたが、公式戦ではない。メジャーで初めて投手・大谷と相まみえる。

「すごく楽しみ。チームが勝てるように」。頼れる男が大谷攻略で重苦しい空気を振り払う。(宮内 孝太)

 ◆自動ボール・ストライク判定システム(ABS) 今季から米大リーグで導入されたシステムで、ストライクやボールの判定を機械が補助することから通称“ロボット審判”とも言われる。同システムでは投手、捕手、打者が投球直後に頭をたたくジェスチャーをすると、チャレンジとして機械判定の要求が可能となる。各チームは毎試合2度の権利を持ち、成功すれば回数は減らない。

 〇…ブルージェイズのシュナイダー監督が退場処分を受けた。2点ビハインドの5回無死一塁の守備時、先発したガウスマンがボークの判定を受け、ベンチから飛び出して球審に抗議。退場を宣告されると帽子を地面にたたきつけ、顔を赤らめながら異議を唱え続けた。その後、ベンチ裏へ下がった指揮官にはファンからたたえるような拍手が送られた。試合後は落ち着いた表情だったが「断言しますが、あれはボークではない。この考えは変えない」と語った。

 ドジャース・ロバーツ監督(ブルージェイズの岡本がチャレンジ成功後に二塁打)「彼のチャレンジは素晴らしい仕事だった。三振だったところを二塁打にされた」

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