◆第86回桜花賞・G1(4月12日、阪神競馬場・芝1600メートル)

 今関東の若手で、最も勢いがあると言っても過言ではない。24年のオークス(ホーエリート、10着)以来、2度目の牝馬クラシックに挑むのが、原優介騎手(25)=美浦・青木厩舎=だ。

 桜花賞への参戦は初となるが、印象に残るのは「(14年の)ハープスターですね」と即答。リアルタイムでは観ていないが、「映像を見て、おっと思いました」と豪快な追い込みに魅了された。一方で「馬場の高速化で、馬の心肺機能が上がって前で残る馬がいるので、今はなかなか難しいですよね」と、現在の競馬との違いにも触れた。

 憧れの馬と正反対の先行力を武器にするのが、今回コンビを組むルールザウェイヴ(牝3歳、美浦・宮田敬介厩舎、父ロードカナロア)だ。アネモネSでは、積極的な競馬をして2着に入り、優先出走権を獲得。中間の追い切りにも騎乗し、「道中の折り合いはかなりよかったです」と手応えをつかんでいる。枠順も「真ん中の枠で、内に1頭速い馬がいてほしい。番手で進めて、直線でかわしてラチを頼らせられたら」と話していたが、理想通りに真ん中の5枠9番をゲットした。

 アネモネS翌週のフラワーCで、重賞45度目の挑戦で悲願の初タイトル。この1勝の持つ意味は相当に大きかった。「重賞を勝つには数を勝たないとチャンスをもらえないので、勝ちにいかなければいけない」。そういう気持ちが強く、自然と早め早めの競馬となっていたが、フラワーC前に戸崎圭太騎手からの助言もあって“改心”。

馬本来のリズムを重視するよう心がけるようになった。重賞を勝ったことでさらに余裕が出て、「次につながる競馬ができるようになった」と、自身の大きな成長を実感している。

 1つの勝利がもたらした大きな自信と変化。「これからは『原に乗せたら馬が良くなった』と言われるようになりたい。1頭に接する時間をおざなりにせず、もっともっと突き詰めていきたい」と原。このあくなき探究心を持ち続けていれば、最高のビッグタイトルをつかむ日は、決して遠くない。まずは桜の大舞台で、進化した姿を見せる。

(三戸 達也)

 ◇原 優介(はら・ゆうすけ) 2000年6月10日生まれ、東京都出身。25歳。美浦・青木孝文厩舎所属。競馬学校36期生。同期は秋山稔樹騎手=栗東=、泉谷楓真騎手=栗東=、小林脩斗騎手=美浦=。

20年3月デビュー。初勝利は20年4月5日の中山12R(タイキダイヤモンド)。26年3月のフラワーC(スマートプリエール)で重賞初制覇。G1は5度騎乗して、23年チャンピオンズCでウィルソンテソーロの2着が最高。

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