◆第86回桜花賞・G1(4月12日、阪神競馬場・芝1600メートル)

 終わってみれば阪神JFの上位2頭が桜花賞でも1、2着。私が日曜日のコラムで指摘していた通り、2歳時の力関係は変わっていなかったわけだが、それにしてもスターアニスの走りには驚かされた。

同じG1勝利でも、昨年より明らかに強くなっていたからだ。

 リリージョワがゲート内で暴れて前扉が破損して、発走時間が遅れるアクシデント。3歳牝馬には過酷な再度のゲート入りではあったが、冷静さを保てていたからスタートを上手に出ることができた。序盤から中盤にかけて少し馬群がタイトになって手綱を引く場面もあったが、それくらいではリズムを崩さないのが、この馬の精神的な強さ。勝負どころの手応えもよく、松山騎手は追い出しを待つ余裕があったほど。直線の伸びは力が一枚上と感じさせるものだった。

 追い切りをチェックした時から感じていたが、この馬の良いところは、走りにしなやかさがあるところだ。500キロ近くの馬体重があるとは思えない、そのしなやかな走りがスピードを生むし、道中のタメにもつながっていく。

 血統は短いところかもしれないが、私は1200メートル、1400メートルと使ってのマイルG1挑戦だった阪神JFのパフォーマンスを見たときから、意外と距離に融通が利くタイプではないかと思っていた。体形的にも短距離馬という感じはしないし、オークスに挑戦しても十分勝負になる。

(スポーツ報知評論家)

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