◆第108回全国高校野球選手権東東京大会▽1回戦 修徳14―0渋谷教育渋谷=5回コールド=(5日・駒沢)

 試合後の取材では最後まで気丈だった。東東京大会初戦。

渋谷教育渋谷の主将・望月悠樹内野手(3年)は修徳との1回戦に「1番・遊撃」で出場。0-14で5回コールド負けを喫したが、3回には二遊間を抜けそうな打球を好捕した。「練習でよく待っていた打球だったので、いつも通り決められて良かった」と振り返った。

 「強い相手に勝つには120点のプレーをしないといけない」と抽選会後は打球速度を上げたノックなど、これまで以上に厳しい守備練習に取り組んできた。「エラーなく試合を終えたのは初めてだと思う。チームとしても個人的にも一番うれしい」。敗戦の中でも、3年間で積み重ねてきた成果を最後の夏に示した。

 だが、応援団の前で最後のあいさつを終えると、こらえていた涙があふれた。

 その中には、高校生漫才コンビ「ランチャーム」としてコンビを組む本多緑の姿もあった。コンビを組んで以降、日曜日は午前に野球部の練習。午後はライブ出演という生活が続いた。だが、高校2年時から両立が厳しくなり、コンビでの活動は激減。

本多は「僕は(ライブに)出たい、出たい!でも望月君が『出るのを控える』って。何で野球(の方を)とんねん」と当時の衝突を振り返る。

 それでも、1人で黙々と素振りをしている望月の姿を見て「(お笑いに引き留めるのは)申し訳ないことをしてるな」と心を改めた。

 望月も当時の決断に後悔はなく「お笑いのせいで野球を休んで、主将としてチームの雰囲気を壊したくなかった」と心の内を明かした。この日、相方の全力プレーを目の当たりにし「(今では)野球を選んだ理由も分かるぐらい頑張っていた」と本多。

 白球を追いかけた球児としての最後の夏は終わりを迎えたが、次は漫才の世界に挑戦。もう一度2人で、高校生漫才の頂点を決める「ハイスクールマンザイ」へ。二刀流の夏はまだまだ終わらない。

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