NHKで18日放送された「新プロジェクトX~挑戦者たち~ 駆けろ!オグリキャップ~奇跡は起こせる~」に、武豊騎手が出演した。スタジオとインタビュー映像で自身が騎乗し勝利、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ1990年の有馬記念などを振り返った。

 番組は、オグリキャップの笠松時代から中央競馬に移籍しスターホースとなっていく歩みを、過去の映像や笠松時代の馬主・小栗孝一氏の妻・小栗秀子さんと娘の江島勝代さん、それに武豊騎手らが振り返るもの。

 オグリキャップが中央デビューし重賞6連勝を飾ったのは1988年。この年、有馬記念も勝った。一報、武豊騎手は1987年デビュー。新人騎手として当時の最多記録となる69勝を挙げ、「スーパールーキー」として早くも頭角を現していた時期で「オグリキャップのどんどん上がっていくのとその横でボクもこう(上がる)みたいな感じはありましたね」と振り返った。

 89年は武豊騎手が騎乗したスーパークリーク、バンブーメモリーがオグリキャップとしのぎを削った。これには「オグリキャップ対武豊みたいな空気になっていましたよ。アウェー感ありましたね」。同年秋の天皇賞でスーパークリークで首差退けたが「(オグリキャップの)ファンからなんてことするんだとか手紙が来ましたね。すごく。やりにくかったですね」という。

 その後、マイルチャンピオンSを制したが、ジャパンC、有馬記念と2連敗したオグリキャップ。

5か月の休養を挟んで臨んだ90年安田記念では初めてコンビを組むことになった。瀬戸口勉調教師からの突然の騎乗依頼に武豊騎手も「オグリってオグリキャップですか?」と驚きを隠せなかったという。レースでは、黄金コンビでの初勝利となった。

 そして伝説となっているのが引退レースとなった90年年末の有馬記念だ。天皇賞・秋6着、ジャパンC11着からの参戦。安田記念以来4戦ぶりに手綱を執ることになった武豊騎手は、レース前の輪乗りの際にあくびをしていたオグリキャップに「こらこらという感じで軽く肩ムチ入れてね。『お前オグリキャップやぞ』『分かってんの』」とゲキを飛ばしたという。そして見事に勝利。競馬場のファンはもちろん日本全国を震撼させたが武豊騎手自身も「乗ってて感動しました。オグリキャップて本当にすごいな。その背中にいれたことが幸せでした」と感慨深げに振り返った。

 最後に改めてレースでの作戦を問われると、ライバルとして、鞍上としての経験から最後の直線での「手前」について述べた武豊騎手。

「ホントに人間みたいな馬だったんです。全てを理解している馬なんで、最後もラストランでこんなに見に来ているんだと気づいたんじゃないですかね。今日勝ったらオレ、ヒーローになるなと思ったかもしれませんね」。そう締めると、オグリキャップのラストランをエスコートしたレジェンドならではのコメントに出演者も驚きを隠せない様子だった。

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