騎手として1448勝(※1)、調教師としても780勝を挙げ、約半世紀に渡って兵庫競馬の歴史を彩ってきたレジェンド保利良次調教師(71)が7月をもって勇退する。兵庫県競馬の調教師に定年はないが、数年前に肝臓がんを患ってから「体力がガクンと落ちた」。

そして息子であり、2022年の兵庫リーディング調教師に輝いた良平調教師(48)という立派な後継者もいることから区切りをつけることになった。

 1972年に地方競馬教養センターの20期生として入所。同期には的場文男元騎手(69)がいる。1973年10月に初騎乗後は田中道夫現調教師らと常にリーディング騎手の上位を争い、数々の名馬の手綱を執ることになる。最も思い入れがあるのが1984年から3年間活躍したアングロアラブ(※2)のビクトリートウザイ(牡、父キタノトウザイ)で、重賞7勝を含む24戦17勝の成績残し一時代を築いた名馬だった。「ゲートでうるさかったけど、本当に強かったね」。先頭に立つと遊ぶ(気を抜く)面が見られるため「道中は2番手からレースを進めようと心がけていた。位置を決めてからは後ろばかり気にしていたね。一度、大外から差されたことがあったので4コーナーでは馬場の真ん中を通るようにしていたよ」と当時を振り返った。

 その後も1988年全日本クイーンカップの勝ち馬であるシルバーブリット(※3、父トライバルセンプー)の主戦騎手としても手腕を発揮した。大柄な牝馬で斤量を背負ってもパワフルに突き進む姿は牡馬顔負けだったが、かなりクセの強い馬だったと言う。「ラチ沿いを走るとペースダウンするので、3メートルぐらい離れて走ったよ。

スピードがあったし、馬体も良かったね」と懐かしんだ。

 1994年に騎手を引退して調教師に転身。2014年の兵庫ダービー(現兵庫優駿)をメイレディ(牝、父ジェニュイン)で制するなど重賞勝ちは10。「いい馬、いい人に恵まれました」と53年に渡るホースマン人生を総括した。気になる今後については「ゴルフをするなどして、ゆっくりするよ」と穏やかに笑う。

 調教師生活の最終日となる31日は7レース終了後(18時17分ごろ)に引退式が行われる。自らの手でラストを飾るべく5Rにブエイ、8Rにはチェリータイムの2頭を送り出す。有終の美を飾ることができるか注目したい。(地方競馬担当・蔵田 成樹)

 ◆保利 良次(ほり りょうじ)1955年4月19日生まれ。71歳。兵庫県競馬の騎手として1973年10月にデビュー。11月に初勝利。

地方通算成績は1万1638戦1448勝。うち重賞は25勝。その後、調教師に転身し96年10月の初出走以来、9054戦780勝(29日現在)で重賞は10勝。

 ※1 兵庫県競馬組合、広報戦略課調べ

 ※2 サラブレッドとアラブの交配種でアラブの血量が25%以上ある馬

 ※3 当時、地方競馬では馬名に促音を使えなかったので正式表記はシルバーブリツト

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