来春真打ちに昇進する女流落語家・林家あんこが30日、長野・小布施町の岩松院で創作落語「北斎の娘」を披露する落語会を行った。江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎が最晩年に過ごし、大作「八方睨み鳳凰図」を本堂天井に描き残した古刹での高座には県内外から約100人が集まり、大宮透町長も訪れた。

 北斎生誕の地である東京・墨田区出身の林家あんこは、2021年から約2年間、第21代「すみだ親善大使」を務めたことから、北斎の三女・葛飾応為を題材にした落語の創作に着手。関連の独演会は毎回チケット完売になるほどで、この日も後援会の約30人が東京からバスツアーで駆けつけ、会場となった岩松院の檀信徒会館は超満員となった。大宮町長も「これだけ多くの人が入ったのはおそらく初めて。この熱気に飲まれそう」と目を丸くしながら開会のあいさつを行ったあと、約1時間半にわたって注目の口演が行われた。

 小布施町と墨田区も友好都市協定を結び、今年は交流30周年のメモリアルイヤー。林家あんこ自身も小布施町には22年から毎年訪れ、小布施町での口演を悲願としてきただけに、感極まる場面も。それでも「後援会のみなさんにも来ていただき、皆様の『北斎の娘』に対する関心も強いので、そろそろ友好大使のお声があっても…」と話して爆笑を誘うと、終演後には大宮町長も「ぜひ、前向きに検討させてください!」と返して盛り上げた。

 小布施町は「栗と北斎と花のまち」として1976年に北斎の肉筆画などを収蔵・展示した「信州小布施『北斎館』」を開館、今年50周年を迎え、今回の落語会も記念事業の1つとして行われた。墨田区にも「すみだ北斎美術館」があり、今年が開館10周年で、交流の記念イベントなどが計画されている。林家あんこは10月4日に「『北斎の娘』を聴く会2026」を東京・文京区の文京シビック小ホールでで開催。来年3月21日から真打披露興行を行う。

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