女優の貫地谷しほりが7日、都内で行われた認知症普及ショート・ドキュメンタリー「one day of life」の完成披露上映会に出席した。

 厚生労働省の認知症普及啓発事業の一環として制作された。

認知症になってからも自分らしく暮らし続けられることを伝え、認知症への理解を深めてもらうことを目的としている。認知症と診断された当事者2人の日常に密着した作品で、この日は高知編と香川編を上映。高知編に登場した山中しのぶさんも出席した。現在、49歳。女手一つで3人の子どもを育てる中、41歳で若年性認知症と診断された山中さんは、不安を抱えながらも自らデイサービスを起業しており、前向きに生きる姿が描かれている。

 本作でナレーションを務めた貫地谷は「本当に(山中さんは)すごいバイタリティーで、このパワーはどこから来るんだろうと、私自身も元気づけられました」と感想。地域の人や家族との関わりにも触れ、「山中さんもたくさん吸収して支え合っているんだなと思いました」と、作品を通じて共生の大切さを感じ取った。

 2023年公開の映画「オレンジ・ランプ」では、若年性アルツハイマー型認知症の夫とともに歩む妻を演じた貫地谷。ナレーションでは「演技する時は役に寄り添って、ナレーションの場合は感情移入しすぎないように。山中さんの物語ですし、見た方々が自分たちの解釈を持てるように、それを邪魔しないように」と心掛けたという。

 山中さんは上映後、「普段、聞けない子どもたちの声を聞けて、母としてうれしい気持ちになった」と笑顔。「認知症のご本人さんだけではなく、全てのみなさんに通じるものだと思っています。

山中しのぶの人生のストーリー、一日一日を見ていただけたら」と呼びかけた。貫地谷も「一日一日の積み重ねが、認知症になられる前から続いていて、そういう人柄で周りにいられる方がいて、私も一日一日を大事に生きていきたいと改めて思いました」と語り、「いろんな方に見ていただければ」と呼びかけた。

 イベントには山口秀幸プロデューサーらも出席した。作品は8日午後2時から厚生労働省公式YouTubeで配信される。香川編には、84歳の渡辺康平氏が出演。72歳で認知症と診断されてから、11年が経過した現在は、家事をこなしながら、妻の運転で碁会所に通い、週1回は病院の「オレンジカフェ」で相談員として活動している。

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