◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級1位・那須川天心 ▽IBF世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)暫定王座決定戦12回戦 同級1位・西田凌佑―同級2位サム・グッドマン ▽WBC世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・坪井智也―同級2位リカルド・マラジカ ▽WBO世界ミニマム級(47・6キロ以下)暫定王座決定戦12回戦 同級1位・松本流星―同級2位ラッセル・アコスタ(9月27日、トヨタアリーナ東京)

 WBC世界バンタム級王者・井上拓真が15日、横浜市の所属ジムで、同級1位・那須川天心との再戦へ向けた練習を公開した。昨年11月の王座決定戦でキャリア初黒星を喫し雪辱を期す天心を「返り討ち」にする覚悟を示し、「何もさせないで勝ちます」と完全決着を宣言。

「世界をひっくり返す」という挑戦者の野望を打ち砕き、王者の強さを刻み込む。

 王者の矜持(きょうじ)が、拓真の言葉に宿っていた。「井上拓真には何をやっても勝てないんだぞ、という内容で返り討ちにしたい」。公開練習ではシャドーボクシングの後、鈴木康弘トレーナー(38)の持つミットへテンポの速いワンツー~左フックのコンビネーションをたたきつけ、完成度の高さを示した。「コンディションもいい。1戦目と変わらず、ただ天心に勝つだけ」。淡々と決戦への思いを語った。

 雪辱を期して因縁をあおる天心の執念も、泰然と受け流した。「預けたものはデカい。しっかり利子をつけて返してもらう」との挑戦者の発言を、「自分の中で別に預かっているものはない」と切り捨てた。厳しい下馬評を受け「世界をひっくり返す」と息巻く天心に対しても、「簡単にはひっくり返らない。井上拓真という壁は大きいぞ、としっかり見せつけたい」と一蹴(いっしゅう)した。

 「自分にしかできない、打たせないで打つボクシング」にも磨きをかけた。8月に北海道・夕張市で走り込み合宿を敢行。その後は世界ランカーのジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)らと約100ラウンドのスパーリングを重ね「引き出しを増やしつつ、自分のベースをより濃く、精密にしてきた」と進化の手応えを口にした。前回の対戦では1、2回に中間距離から被弾しポイントを許したが「もうあの展開はない」と断言。「流れの中でKOは狙っていきたいが、まずは完封して、何もさせないで勝ちます」と勝利のイメージを描いた。

 再戦のコピーは「これで最後だ」と銘打たれた。拓真は自分なりの解釈を披露した。「これで最後…(天心は)自分に負けて他の団体に行くんじゃないですか? (再戦したいと)もう言えないぐらいにしたいです」。天心の雪辱への意思すらも断ち切る完全決着で、王者の誇りを証明する。(勝田 成紀)

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