◆大相撲秋場所13日目(25日、東京・両国国技館)

 元大関で東前頭6枚目・朝乃山が関脇・熱海富士を寄り切り、3敗を守って再入幕から5場所目で初の2ケタ白星に乗せた。単独トップの横綱・大の里が大関・霧島の下手投げに屈したため、賜杯争いで1差に迫り、逆転Vに望みがつながった。

大関・安青錦も大関・琴桜に肩透かしで勝ち、3敗をキープ。14日目に2敗の大の里が琴桜に勝ち、3敗の安青錦、朝乃山がともに敗れた場合、大の里の6場所ぶり6度目の優勝が決まる。

 朝乃山の鬼気迫る立ち合いだった。頭から当たってすぐに左の前まわしを取った。右を差して振って引き付けて寄り切った。止まっていたら熱海富士の重さに負けていた。100点満点の会心相撲だった。

 幕内に戻ってからは早い勝ち越しはあっても上位には勝てなかった。関脇の熱海富士に自分の相撲で勝ったという事実は、再び上位で戦えるという自信を与えた。大関として優勝争いをしていた頃の強さにはまだ戻ってはいないが、馬力が戻ってきたことは大きい。きっかけになる白星だ。

 残り2日。

優勝争いはどうなるか。1差リードの大の里が有利であることは間違いないが、冷静さを失って勝ち急いでしまった霧島との一番を見る限り、まだまだ波乱がありそうな予感がする。朝乃山と安青錦。優勝経験のある実力者の足音が不気味だ。(スポーツ報知評論家、元大関・琴風)

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