日本ハム「シャウエッセン」旧包材と、新包装形態「エコ・ピロタイプ」
一般社団法人日本食肉加工協会と日本ハム・ソーセージ工業協同組合は1月26日、役員会を開き、SDGs対応に向けて業界として各種取組みを進めていくために「SDGs推進委員会」を設置した。
SDGsに係る近年の地球環境や経済・社会の持続可能性に関し、世界的な危機意識、関心が高まるなか、我が国でもレジ袋の有料化をはじめとしたさまざまな取組みが実施されている。
具体的には、同委員会の下に「SDGs推進包装形態検討会」を設け、いわゆる「巾着袋」と呼ばれている「ソーセージにおける包装袋の包装形態の見直し」について取り組んで行く。
ソーセージといえば巾着袋の形で、スーパー等の重要な目玉商品として定着しているが、この巾着袋についても持続的な製造を進める観点から、業界をあげて包装形態の見直しに取り組むこととした。両団体では、昨年9月から商品の包装形態や各社の意向を数回にわたりアンケート調査を行った。10月以降、アンケート調査と同時に、同委員会に先行する形でSDGs推進包装形態検討会を設け、数回にわたり開催し、巾着袋について見直しをする方向を確認した。1月26日に設置されたSDGs推進委員会で、正式に承認された形となる。
世界的な原料相場の高騰により食肉加工業界は厳しい経営環境下にあるが、SDGsの取組は今後の社会全体の取組として不可避の課題となっている。国民生活における安定的で良質な動物性タンパクの提供に努めるべく持続的な食品提供体制を維持するためにも、これまでステークホルダーと培ってきたソーセージ流通消費のステータスを大切にしつつも、強い決意のもと業界一体となって新たな包装形態に取り組むことになった。
また、この取組みの実施にあたっては、流通サイドの理解も得て、ナショナルブランド商品はもとより、プライベートブランド商品についても、一体的にSDGs対応の取組みとして進めていくことにしている。
こうした取組みにより、包材としては15~30%の削減、また、これに伴う商品の体積の減少を通じて、輸送面での負荷の1割近い減少効果も期待され、業界をあげて全てのステークホルダーの理解のもと、全力で取り組んでいく。今後のスケジュールとしては、巾着タイプからの切り替えは最終的には各企業の判断になるものの、すでに取組みを始めている企業に続き、多くの企業が4月末までには取組みを行い、新たな包装袋での消費者への提供が実現するものとみられる。
すでに日本ハムでは、発売38年目となるウインナーソーセージのフラッグシップブランド「シャウエッセン」について、2月1日から従来の巾着タイプから新包装形態「エコ・ピロタイプ」に変更して販売することを発表している。
日本ハムは、シャウエッセンとろける4種のチーズ、同ホットチリ、豊潤についても2月1日から、森の薫りは3月1日から、それぞれのパッケージを従来の巾着タイプからエコ・ピロタイプに切り替えていく。
伊藤ハム米久ホールディングスも前向きに対応を検討しており、近日中に対応を発表する。なお、米久のメインブランドである御殿場高原あらびきポークは、もともと巾着タイプではなく通常のプラ外装を採用している。
プリマハムも対応を前向きに検討している。
〈畜産日報2022年1月27日付〉

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