例年、6月は梅雨入りで需要が低迷し、相場も下げに向かう時期となる。ことしは全国的に平年よりも遅めの梅雨入りと予想されているが、「父の日」以降はこれといった販促イベントもなく、ことしの6月は厳しい相場展開となりそうだ。
〈供給見通し〉
農畜産業振興機構の牛肉需給予測によると、6月の成牛出荷頭数は8万3,600頭(前年同月比6.0%減)としている。このうち、和牛が3万9,000頭(同4.0%減)、交雑種が1万9,500頭(7.6%減)、乳用種2万3,900頭(7.2%減)といずれの品種も減少が見込まれている。今後の枝肉相場の動向次第では出荷控えの動きが出てくるものとみられる。牛個体識別情報によると、乳用種去勢は9,200頭程度とみられ、前年の1.1万頭を大幅に下回るとみられる。
一方、6月の牛肉の輸入量は、チルドが1万5,900t(3.6%減)、フローズンは2万6,900t(0.8%減)と見込まれている。末端需要が弱いなかで、円安と外貨高の影響で供給量は限定的で、各パーツ相場はさらなる高値が予想される。
〈需要見通し〉
5月の連休明け以降も夏日が続いたことで、週末は焼肉用も比較的動いたようだ。それでも、下旬になるにつれて鈍化し、末端需要はスソ物の切り落としや煮込み用などが中心となった。交雑、乳用種のロースは、「母の日」のステーキでソコソコ動いたものの、こちらも下旬になると一服、浮遊玉も散目されるようになった。
〈価格見通し〉
6月の枝肉相場は、最近の需給の動向から見る限り、「相場の上げ材料は乏しい」との悲観的な見方が多い。ただ、「GW前にかけて、ようやく相場が追い付いてきたため、6月は何とか価格を維持して、7月以降の需要期に持っていきたい」という声も多く、実需と関係なく枝肉相場は一定レベルを維持する可能性もある。こうした状況からすると、6月の平均相場はやや軟調も、和牛去勢A5等級で2,400円前後、A4で2,100円前後、A3で1,900円前後、交雑種去勢B3で1,500~1,600円、同B2で1,400~1,500円、乳雄B2で1,000円前後と予想される。
〈畜産日報2024年6月5日付〉









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