日清オイリオグループの今期(2026年3月期)の業務用の施策について、食品事業本部業務用事業戦略部の西田哲也業務用課長は、「コスト高と人手不足の対応が商品施策で一番のテーマ」と掲げる。
具体的なコスト対策としてはこれまで、長持ち機能を持つフライ油の提案を行ってきた。
人手不足対策については、「調理工程の生産性向上をサポートする機能性油脂群の提案がポイントになる」と説明する。機能性油脂に関しても5年間で140%近く伸びているという。
◆炊飯油と麺さばき油の新商品、油の長持ち機能より実感できるオペレーション提案
4月には炊飯油と麺さばき油の新商品を発売した。そのうち「日清炊飯油TK」は、ほぐれ感が良くなり作業性が向上する、時間が経ってもツヤを維持するという炊飯油の基本性能に加え、米の粒立ちが良くなる機能が特長だ。
「昨今の米価高騰を受け、外食業界では米のグレードを見直したり、輸入米を使うなど、仕入れに苦労している。一般的にグレードが下がると、割れ米や不成熟米が増える。そのような米の場合、米の中からでんぷんが出てしまい、炊き上がりの米の食味が悪くなる」という。「日清炊飯油にもコーティング効果はあったが、より粒立ちに特化した商品となる。
「米の価格が上がって使用する米の種類を変えることが検討される中、品質に課題を持つ店舗が多い。こういったタイミングに合わせて発売したが、ブレンド米や輸入米を検討する顧客からの関心は高く、テストも実施してもらっている」と手ごたえを得ている。
麺さばき油では、「日清麺がほぐれやすいオイル中華麺用」をリニューアル発売した。
「日清素材のオイル」からは、新たに「香ばしチーズ風味」を投入した。「チーズ風味のオイルは珍しく、好評で引き合いを多くいただいている」と話す。チーズの価格が高騰した際などに、チーズの一部を置き換えたり、ポテトサラダなどのチーズを使わないメニューのバリュエーションアップとしても有効利用していただいている」という。カラオケやカフェなどの業態は厨房設備が限られ、調理工程がシンプルにならざるを得ないが、同商品でメニューをアレンジして差別化が図られている。
長持ち機能のフライ油提案については、「特に中食では廃油基準の指標となっている酸価2.5で油の品質を管理しているケースが多い中、お客様の廃油を分析し、それぞれのお店にとって適正なフライ油の交換時期や使い方を提案することで、油の長持ち機能をより実感できるよう、フライオペレーションの提案も行っている」という。
長持ち機能のフライ油の1つ「日清スーパー長持ち油シリーズ」は、日清キャノーラ油と比べて酸価上昇を約30%抑制する効果がある。
容器戦略としてはピローの提案に注力している。「市場ではある程度浸透してきたが、まだ容器自体が認知されていないケースがあり、拡販余地は大きい。当社が直近実施した飲食店向けウェブアンケートではピローの認知度は3割程度だった。
〈大豆油糧日報 6月4日付〉









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