中学生に給食を届ける場所が、地域の人も通う“新しい憩いの場”に。東京都町田市に4月、カフェや遊び場を併設した「町田忠生小山エリア中学校給食センター」が開業した。


同センターは、町田市が中学校の全員給食実施に向けて整備を進めている施設で、シダックス大新東ヒューマンサービスが調理業務を受託。市内8校に対し、1日あたり約4000食の給食を提供している。

センターには、国内初となるカフェや、子どもが遊べるスペースなどを併設しており、給食提供以外にも地域の人たちが集まれるコミュニティ施設としての役割もある。子連れの利用者に話を聞いたところ「プレイルームがあると聞いてカフェに来てみた」と、地域住民が足を運ぶきっかけになっているようだ。
国内初、“給食が食べられるカフェ”併設の給食センターが始動
カフェメニューでもある中学校給食
カフェメニューでもある中学校給食
カフェでは11:30~13:00の間、平日に給食のメニューを1日30食販売しており、1食あたり650円で販売。休日には、「赤ワイン煮込みソースのハンバーグ」など趣向を凝らしたメニューも提供している。また、町田市産のみそを使った「みそバタートースト」やコーヒー・紅茶など、カフェメニューも充実している。
国内初、“給食が食べられるカフェ”併設の給食センターが始動
町田市産のみそを使った「みそバタートースト」
町田市産のみそを使った「みそバタートースト」
さらに、6月からは利用者のニーズに応えるため、アルコール類の販売も開始した。

カフェ・市民交流スペースの責任者を務める知野見崇(ちのみ・たかし)さんは「給食を食べられることは、カフェの目玉になるとは思うが、休日やランチタイム以外にも足を運んでいただきたいので、メニュー開発に力を入れている」と語った。

その他にも、利用者から絵本をドリンク1杯のサービスと引き換えに寄付してもらい、利用者が自由に手に取れるようにする取り組みなど、地域住民が足を運ぶ動機づけになるような工夫もしている。今後は、近隣の音楽大学とコラボしたイベントの実施や、町田市産のブルーベリーを使ったメニューの提供などで、コミュニティーセンターとしての役割を強化する。

子どもたちの食を支える給食センターが、地域をつなぐ新たな場へ。
日常の中で、ちょっと立ち寄りたくなる場所としての進化は、これからも続きそうだ。
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