ユニ・フード(千葉県印西市)は、納豆のたれ・からしなどの液体小袋調味料に特化した食品メーカーだ。
1858年に千葉県船橋市で創業し、菜種やからし種の集荷や搾油、販売業を行っていた。
1965年に設立し、当時は粉がらしが一般的だった中、練りからしをフィルムでパックした製品を研究・開発した。小袋充填技術が確立されていなかった時代のため、充填機械から同社で独自に開発し、練りからしの風味を長期間にわたって保持できる小袋を製品化したという。
以来、からしだけでなく、たれやソース、シロップなど、多種多様な液体小袋調味料を手掛けるようになった。実績は1万件以上にのぼる。味の開発から製造、小袋への充填まで一貫して行っている。過去に実績のないたれでも依頼を受け、実際に食べにいくなど実物を確かめた上で開発するという。
売上の半分ほどを納豆のたれやからしを占め、残り半分はバラエティーに富んでいる。午前と午後で異なる製品を製造する日もある。
小袋のため、サイズなど商品の規格自由度が高いこと、ボトルや瓶、ポーションカップと比べ低コストなこと、ごみの廃棄方法が容易で環境にやさしい、などといった利点がある。
加えて同社は、小ロット生産ができる。他社では1tからの製造も多い中、同社では150㎏から商品化が可能となっている。
同社の強みは、難易度が高い具材入りのたれを高品質で作れることだ。
具材入りは、小袋をシールする際、具材をシールしてしまうと隙間ができ漏れてしまうため、難しいとされている。
◆約30製品を常時製造、合計で約50台の小袋充填機を保有
製造は、原料倉庫から運んできた原料を計量室で計量し、製造室でブレンドする。その後、充填室で小袋に充填し、製品検査室を通ったのち、製品倉庫で出荷を待つという流れだ。
計量室では毎日約30製品のたれに使う原料を計量する。原料は数多くそろえており、原料に番号を振って管理している。番号で管理するのは、似たような名前の原料があり取り違えを防止するためだ。
からしの製造は、計量室に隣接するからし製造室で行う。からし種を擦り潰したあと、酢や塩を入れまた擦って脱気することで出来上がる。
たれの製造室では、納豆のたれ以外にも、黒蜜や温泉卵のたれ、デミグラスソースなどを製造している。原料に貼られたシールは、作る製品ごとに色分けされており、取り違えを防げるようにしている。計量した原料を、釜で攪拌しながら加熱する。冷却など、製品ごとの工程を経た後、タンクにたれを入れ充填室に送液する。
充填室は、バラエティーに富んだたれを充填する第1充填、納豆たれやからしを充填する第2充填がある。合計で約50台の小袋充填機を有する。写真はからしの充填の様子。
小袋は、オーソドックスな3方シールの場合、まず縦片辺にシールして筒状にした後、そこに液体を注入し横の辺に2回シールする。
小袋の境にミシン目を入れる際は、少しずれるだけで中身が漏れてしまうため、「繊細な調整が必要だ」とする。
また、例えばラー油入りの餃子のたれの場合は、2つのノズルそれぞれから入れる2液充填を行う。油は水より軽いという性質から、タンク内でたれとラー油が分離してしまい均等に入れられないという事態を避けるため、別々のノズルを用いて充填している。
充填し、箱詰めされた小袋は、製品検査室に送られる。破損や汚れがないか、製造日付が記載されているか、賞味期限が合っているかなどを検査する。製品ごとにサンプルも保管し、サンプルを確認して小袋の状態も確認するという。
同じ製品でも、ロットごとに毎日検査し、安心安全な製品を届けることに努めている。製品検査室で検査に合格した製品は、製品倉庫に保管され、注文に応じて出庫・出荷される。
〈大豆油糧日報 8月8日付〉
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