◆抗生物質・合成抗菌剤を不使用、サイズ指定の規格で調理原価のブレ少なく
プレコフーズ(髙波幸夫社長)は8月19日、同社初のオリジナルブランド鴨「岩手 美海鴨(いわて みうながも」(岩手県産)を発売した。商品は、ロース(冷凍1パック当たり450gUP、税抜き4,830円/㎏)ともも(同280gUP、3,350円/kg)の2アイテム。
抗生物質や合成抗菌剤を一切使用せず、自然由来の飼料で育てた。1パック1枚入りのサイズ指定の規格のため、飲食店も調理原価の大きなブレがなく使用することができる。
同社はこれまで、鶏肉で2種、豚肉2種、牛肉1種、鮮魚1種のオリジナルブランドを取り扱っている。他店との差別化を図りたい、よりグレードの高い鴨肉を求める飲食店のニーズに応えるため、岩手県の国内最大手生産農場と1年にわたる交渉を経てブランド化を実現したという。
鴨は、岩手県田野畑村の指定農場で育てられている。国内で最も多く流通しているチェリバレー種の故郷の英国東部リンカンシャー州と同様に海の近くに所在し、潮風を浴びながらのびのびと飼養されている。
全飼育期間中、抗生物質や合成抗菌剤を一切使わず、穀物を原料とした独自配合の飼料を、鴨が食べやすいようにペレット状にして与えている。これにより、鴨のストレスを減らし、臭みが少なくしっとり柔らかな肉質で、うまみとコクのある味わいが特徴となっている。さらに、匂いの元となる鴨の羽毛は抜けにくいため、食鳥処理では、4つの工程で毛抜き処理を行い、最終的には人の目で確認しピンセットで丁寧に除去しているという。

(左から)「美海鴨」ロース450gUP、もも280gUP
通常の国産の鴨ロースは200~600g、ももは200~400gとサイズ幅が大きいことが一般的だが、「美海鴨」は1パック1枚入りで、ロース450gUP、もも280gUPのサイズ指定の規格品となっている。ステーキやコンフィなど、1枚使用のメニューもボリュームのあるサイズで提供することが可能。
同社では「鴨肉の脂は不飽和脂肪酸が豊富。
α-リノレン酸やリノール酸など、健康維持に必要だが、人間が体内で生成できない必須脂肪酸を含んでいる。その融点は人間の体温より低く、固まり難い性質を持つため消化に優しい脂となる。この機会に『美海鴨』を活用いただきたい」とコメントしている。
〈畜産日報 8月25日付〉
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