味の素AGFは「ちょっと贅沢な珈琲店」を味で選べる設計に再編し、9月1日に12品を発売した。2007年の登場時から“ちょっと贅沢”のコンセプトが生活者のニーズに合致したブランドは、2024年に累計119億杯へ到達。
2014年比で金額ベース約1.7倍まで伸長している。2025年秋には、レギュラーコーヒーの対応ニーズ拡大、個包装のカフェインレスの新設、スティック商品を拡充し、活性化を図る考えだ。

「ちょっと贅沢な珈琲店」のラインアップ強化
先月行われた商品発表会で、同社コンシューマービジネス部の伊藤英郎部長は、「生活者に寄り添い、珈琲店品質の1杯で日常に充足感を届ける。そのために味や香りの好みに合わせた選びやすさを意識して見直した」と述べた。
今回の「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドの強化は、購入時の判断軸が産地名より「自分の好みに合う味」へ移っている傾向への対応が大きな狙いだ。売り場とECでの選びやすさと続けやすさを重視し、杯数表示や小容量から試せる形態を整えた。
レギュラーコーヒーは、〈スペシャル・ブレンド〉の後味をクリアに見直し、〈マイルド・ブレンド〉を追加(各240g)。パッケージには「24杯分」を明記した。
個包装ドリップでは、〈プレミアムドリップ カフェインレス〉(6袋)を新設し、夜間や体調配慮時の需要に応える。

「ちょっと贅沢な珈琲店」〈スティックブラック マスターのこだわりブレンド〉
インスタントコーヒーは、〈マイルド・ブレンド/リッチ・ブレンド〉の二軸で展開(各瓶80g、袋60g/80g)。スティックは、ブラック系で〈スティックブラック マスターのこだわりブレンド〉(微粉砕レギュラー豆配合、18本入)と〈スティックブラック プレミアム産地アソート〉(18本入)、ラテ系で〈スティックカフェラテ 深いコク/まろやかなコク〉(各20本入)を揃えた。
事業環境について、同社常務執行役員の中澤正規氏は、「コーヒー相場の高値安定は今後も続く。
需給面から見ても購買環境は厳しいが、コーヒー企業として厳しさに真摯に向き合い、お客様のココロの健康に貢献する当社ならではのスタンスで活動していきたい」と語った。
AGFは今回、さまざまな飲用シーンに向けて「ちょっと贅沢な珈琲店」を訴求している。スティックブラックで外食志向層の流入やオフィスでの飲用増を背景に重点強化し、スティックカフェラテではコクの違いを前面に、気分や時間帯での指名を促す。さらに、レギュラーコーヒーの一杯抽出型では、時間帯や体調に応じた飲み分けをしやすくしている。
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