2026年度から実施される小学校の給食無償化をめぐり、自民党、日本維新の会、公明党の3党は12月18日、国会内で実務者協議を開き、子ども一人あたりの支援額を月5,200円とすることで合意した。この3年あまり、学校給食では、おかずの減少やデザートの不採用が続き、給食の質低下が大きな問題になった。
この間、学校給食現場に食材を届ける卸団体は、全国各地の自治体、行政に駆けずり回り、疲弊する学校現場の声を代弁し、物価高騰に合わせた給食費の値上げを求めてきた。今回、3党が合意した月支援額5,200円に対し、どのように考えているのか。
学校給食物資開発流通研究協会の青木基博会長は次のとおり具体的な数字を示し、更なる値上げが必要であることを訴える。
「総務省の消費者物価指数(食料)によると、2020年を100とした場合、2023年は112.9、2025年11月は128.6となっている。この指数をもとにすると、128.6÷112.9= 約114% となり、2023年以降、食料価格は約14%上昇していると見ている。2023年の全国平均における小学校給食費(月額)は4,688円だが、これに物価上昇分を反映させると、4,688円 × 114% = 約5,344円となり、現在の物価水準に見合う給食費は月額5,300円台と考えられる。一方、国が負担する給食費支援額は月額5,200円であるため、1人あたり月額144円の不足が生じている計算となる」。
このように、現時点でも物価上昇額に追い付いていない状況を示し、「2026年度においても、給食食材費を取り巻く厳しい状況は継続するものと考えている」と見通しを語った。
続けて、全国給食事業協同組合連合会の平井昌一会長は、「国費負担が決定し、物価高騰を勘案し支援額が500円増額された。現在の給食費は2023年より上昇しており、質・量の向上につながるかは検証が必要だが、引き上げには感謝したい」と謝意を示す。
日本給食品連合会の中込武文会長は、「月額5,200円の支援は、学校給食をコストとして見ている。学校給食はコストではなく教育である。教育にはお金がかかるものであり、資源の少ない我が国は子どもたちへの教育にお金をかけなければならない」と学校給食の本来の意義を強調する。
また、「食材費やエネルギー、物流コストは今後も不透明で、固定額では質の維持に限界が生じかねない」ことから、「自治体には現場の実態把握と柔軟な運用を求めるとともに、国には定期的な見直しや、安定供給と教育を支える制度設計を強く提言したい」と求めた。









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