湖池屋は中部工場(岐阜県海津市)を稼働し、12月上旬に出荷を開始した。約100億円を投じ、国内5つ目の生産拠点を設け、需要拡大が続くポテトチップスの生産体制を整える。
「将来的には戦略商品やアメリカなどへの輸出品をつくる基幹工場として、スナックの価値領域を広げる挑戦を進めたい」と佐藤章社長。

同社は従来、ポテトチップスの7割を東日本で生産していたが、「中部工場の稼働により東西で生産と販売キャパを最適化し、物流費を抑制する」(柴田大祐常務執行役員生産本部兼R&D本部本部長)。

ポテトチップスの製造能力は1時間あたり1500kg。1日15時間稼働し、26年夏をめどに3直体制に切り替え、40~50種製造する。

26年春以降さらにポテトチップスの新ライン1本と新規ライン1本を設置、稼働する予定だ。「食のシームレス化が進み、主食と間食の境界線があいまいになり、料理のようなスナックの需要が拡大している」(佐藤社長)ことをふまえ、そうしたニーズに対応する戦略商品として「生・チー」のアレンジ品の開発を進める。
戦略品・輸出品を担う中核拠点に、ポテトチップスの供給体制を強化【湖池屋・中部工場】
フライ直後のチップス
フライ直後のチップス
敷地内には同社として初めて物流倉庫を建設した。中間輸送を無くすことで物流の効率化を図るほか、物流倉庫上のソーラーパネルで発電した電力を中部工場内で利用する。

また、納品や輸送などに使うパレットの規格を統一してドライバーの労働環境改善をめざす。各パレットにタグを付けて商品や物流を管理し、効率的な輸送ルートの把握に活用する。
戦略品・輸出品を担う中核拠点に、ポテトチップスの供給体制を強化【湖池屋・中部工場】
湖池屋GOGO!ファクトリー
湖池屋GOGO!ファクトリー
全国2カ所目となる体験型施設「湖池屋GOGO!ファクトリー」も併設する。26年夏に一般の受け入れを開始する予定。

戦略品・輸出品を担う中核拠点に、ポテトチップスの供給体制を強化【湖池屋・中部工場】
湖池屋中部工場外観
湖池屋中部工場外観
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