1912年の創業以来、キャンディ市場をリードしてきたカンロ。機能性を付加した高価値品の開発を進めるとともに、成長の柱となるグミ事業で米国市場へ本格参入する。
――2025年を振り返って。
世界では地政学リスクの高まりが継続し、加えて日米金利差、トランプ関税発効等もあり、為替は円安に振れ、原料・資材費の高騰が続いています。国内では物価高や米価高騰の影響が表面化し、消費の二極化傾向が強まる等、企業経営を取り巻く環境は大変厳しい状況ですが、菓子市場については、引き続きインバウンド需要を取り込んだり、食の代替ニーズが出てきたりと堅調に推移しています。
――業績が好調だ。
24年12月期は4期連続で増収増益となりました。25年12月期も、現在の予想では増収増益で着地する見込みです(25年12月上旬取材)。
2025年は飴、グミ共に主力ブランドを中心に売り上げを伸ばすことができました。飴はブランドにより明暗が分かれましたが、セルフケア需要をとらえたのど飴が貢献しています。
グミはピュレグミを筆頭に好調に推移し、市場全体の成長に貢献しました。市場全体の伸長率に比べると当社の伸長率は若干低いため、今後も旺盛な需要に対応し、供給体制を強化していきます。
――国内の食品企業は減益傾向だ。
トップラインを伸ばしながら、生産と販売のバランスが良くなりました。それを支える商品開発とマーケティング活動もかみ合っています。
商品数を安易に増やすのではなく、主力ブランドの売れ筋を中心にSKUを絞り、一品あたりの売り上げの最大化に取り組みました。また、1パレットあたりの積載効率を高めて物流費を抑制しました。このような努力をそれぞれの部門で積み重ねた結果です。
収益性については一品ずつ管理し、生産性向上にも努めています。25年上期は主力品の販売に集中するため、あえて新商品の数を絞りましたが、売り上げの伸びは鈍化してしまいました。その反省をふまえ、下期は主力品に注力しながらもタイミングを見て新商品を投入し、軌道修正を図りました。
〈独自技術を生かし、高価値化を推進〉
――二極化の中でSKUを絞るのは難しいのでは。
二極化といっても、当社は値ごろ感ではなく、高価値化に重点を置いています。提供価値を高め、その価値に見合うプライシングをすることが大切だと考えます。
――2025年にカンロ飴が70周年を迎えた。
メディア向けに発表会を開いた後、プロモーションを強化し、店頭露出への注力やイベント開催等により活性化を図っています。また、これまでウェブ上で展開していた「カンロ飴食堂」施策を創業の地、山口県光市と連携し、2026年からリアルで実施します。光市内の飲食店様にカンロ飴を使ったメニューを提供してもらい、光市の観光誘客にも貢献できればと考えています。
――EC事業について。
当社のデジタルプラットフォーム「Kanro POCKeT」では、「アメージングカンロ」と題し、独自の世界観をもった高価値品を提案しています。ECは市販品とは異なる柔軟な価格設定ができるので、今後も品ぞろえを充実させ、新規ユーザーを取り込みたいと考えています。
――近年、新機軸の商品が増えている。
そのあたりも高価値化戦略の一環です。独自技術の優位性を生かした商品を開発しており、25年下期はチャネル限定で販売したグミの新商品が好調でした。とろけるような食感の「とろみ~グミ ぶどう味」やスナック感覚で食べられる2層グミの「ピックミー ピーチ味」が話題となりました。主力ブランドの中では、大粒パウダーの「カンデミーナグミ ジャリシャリ 爽快ラムネ味」が好評でした。
〈“オールカンロ”でファンづくり〉
――「中期経営計画2030」について。
長期ビジョン「Kanro Vision 2.0」の実現へ向け、前中計の課題をふまえた「中期経営計画2030」を25年2月に発表しました。「Kanro Vision 2.0」は4つのバリュー「Sweetな瞬間を創造する」「事業基盤を変革する」「未来へ紡ぐ」「創発的な組織の更なる進化」からなり、当社の進むべき方向性を示しています。
そのうえで、4つの事業戦略骨子を定めました。国内では伸びているグミ事業の生産体制を増強し、新商品を継続的に投入することで、さらなる成長とシェア拡大をめざします。飴、グミ共に機能性の付加等により高価値品の開発を行います。
事業領域拡大にも取り組み、特にグローバル事業では米国での展開を推し進めます。また、リアルとデジタルの両輪でCX(顧客体験価値)を引き続き強化していきます。
――グローバル事業の進捗について。
今後の成長ドライバーとなる米国で、25年5月に現地法人Kanro America Inc.を設立しました。ピュレグミの輸出拡大に向けて販売体制を整え、マーケティング活動を本格化し、インスタグラムの公式アカウントを立ち上げました。現地の展示会へ出展し、商談を進めつつ、Kanro Americaがカンロからピュレグミを輸入し、米国のディストリビューター各社へ販売する商流・物流体制も構築しました。
25年9月に出荷を開始し、10月からピュレグミのレモンとグレープが店頭に並び始めました。
米国では、ピュレグミの果実感とパウダーの酸味のバランス、ハート型の見た目の可愛らしさ等が評価されています。店頭に並ぶグミ製品は大容量品が多く、4ドル程度です。これに対し、ピュレグミは日本と同規格で3~5ドルで販売します。
ハイエンドのスーパーには子ども向けではなく大人をターゲットとした小容量品が出始めており、米国のグミ市場のラインアップに変化がでてきた印象を受けます。市場規模は日本の10倍以上あると言われますが、競争は大変激しいです。
一方、中国では現地メーカーAmos社と「色えんぴつキャンディ」を展開しています。中国専用品として開発した「0糖1刻」は価格面などで課題を残す結果となり、全面的に見直しを図ることにしました。台湾と香港については堅調に推移しています。
グローバル事業は引き続き米国を中心に成長を加速させていき、2030年までに海外売上高50億円、全社売上高比率10%到達をめざします。
――新年の抱負を。
2026年は朝日工場の新ライン増設(完成は2027年予定)やそれに伴う人財採用等、成長に向けた先行投資が増えます。
例年以上に企業ブランディングを強化し、より多くの方に当社を知っていただけるよう“オールカンロ”でCX(顧客体験価値)向上に取り組んでいきます。カンロのファンをつくることで、中長期的な全社成長につなげたいと考えます。









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