スマドリ社は13日、一般財団法人松本ヘルス・ラボ(長野県松本市)と共同で「松本スマートドリンキングプロジェクト」を発足した。両者は2024年から連携し、松本市内の企業や市民を対象とした適正飲酒啓発セミナーを開催しているほか、松本大学の学生と意見交換を行うなど、多様性のある飲み方を地域に広める取り組みを進めている。


今回、“スマートドリンキング”を生かした街づくりで松本の人々の健康増進と経済活性化を図るため、同プロジェクトを設立した。

同日、松本市役所で共同記者会見を開催。プロジェクト発足に至った経緯と取り組みの概要を説明した。

“スマートドリンキング(スマドリ)”は、飲む人も飲まない人もみんなが楽しめる、体質や気分に合わせた自由な飲み方のこと。スマドリ社では22年にスマートドリンキングプロジェクトを発足し、適正飲酒啓発と新しい飲酒カルチャー創出を目指して活動している。

同社代表取締役社長の高橋徹也氏(写真左)は「当社は22年6月に初の自治体との連携の取り組みとして、一般社団法人渋谷未来デザインならびに渋谷区と“渋谷スマートドリンキングプロジェクト”を発足した。これは我々の拠点であるスマドリバーが渋谷区にあった関係で発足したもので、松本市のように離れた自治体と組むのは初めてとなる」と説明。「松本市には産官学民医、これが連携しやすい環境がある。また、松本ヘルス・ラボ様が中心となり、市民の健康の増進と地域経済の活性化、こういったスマドリの理念にもあった志を持って活動されていることから、プロジェクトの発足を決定した。プロジェクト発足により、今までやってきた啓発、理解促進といったところからさらにステージを上げ、大学、若年層連携、さらに民間連携、社会実装を活動に加えたい」と語った。

松本ヘルス・ラボは、スマドリに関心を持った背景として「市民の健康維持や世代間の交流促進のため、新たな飲酒文化(スマドリ)の普及が必要ではないかと考えた」と話す。それに加え、24年に公表した飲酒ガイドラインが認知されていないことや、松本市を観光する人の中には飲酒習慣のない日本人や外国人観光客もいることから、そういった人に合わせた飲料の必要性を挙げた。


今回プロジェクトを発足することで、産官学民医が連携し、松本市のバー文化と“選択できる飲み方”を活用して、飲酒有無に関わらず健康と経済が相互に好循環する仕組みを中心市街地に導入し、社会的価値と経済的価値の両立を目指すとしている。健康づくりの視点からは、適正飲酒セミナーや適正飲酒を学ぶ体験イベント等を通じて、自発的な適正飲酒と過度な飲酒の抑制を促す。また、産業振興の視点からは、ノンアルコール飲料を交えた飲みの場の提供を行うことで、アルコール飲料以外の選択肢を定着させ、新たなまちづくりにつなげる。具体的には参画企業間の交流イベントやオリジナルのノンアルコール飲料開発などに取り組む。

今後は適正飲酒啓発セミナーの継続開催に加え、松本大学と協働で「スマドリ」を街づくりに生かす施策を考えるワークショップや、飲食店と協力して松本市オリジナルのノンアルコールカクテル開発などを実施する予定だ。

松本市長の臥雲義尚氏(写真右=松本ヘルス・ラボ理事長)は「スマートドリンキングは、お酒を飲む人も飲まない人も宴席やパーティーで共に楽しめる新しい生活文化と考えている。今回、このスマドリを切り口として、これまで健康増進の課題の一つであった“お酒の飲み方”にアプローチできる機会と、そして松本ならではの料理に合う新しい飲み物を普及・開発していくことが期待される。それは飲食業や関連産業の振興にもつながり、ひいては産学と松本の魅力向上、松本ブランドの向上につなげていけるものと考えている。このプロジェクトが市民の健康意識の向上、そして街のにぎわい創出につながることを期待している」と語った。

〈酒類飲料日報 2026年2月16日付〉
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