メーカー各社の春夏の新商品が店頭に並び始めている。物価高騰の影響なのか「値ごろ感」を打ち出した商品に加え、酷暑の長期化を見越した「涼味」商品の提案が目立つ。
話題のワンプレート商品は、うどんと天ぷらを組み合わせた商品や、まだ数の少ない中華メニューも投入される。

日清食品冷凍が算出した2025年度の市場規模の見込みは、前年度比2%増の8,889億円になるという。伸長するカテゴリーは、弁当惣菜をのぞく麺類や、米飯類、中華点心類、ピザ類など。値上げの影響もありここ数年、売上は値上げによって前年を上回るも、数量は前年を下回る傾向にあった。しかし25年度は、数量も前年を上回る見込みだ。タイパ・コスパの需要の高まりに加え、利便性を求める傾向の強まりから冷凍食品への支持は回復傾向にあると考えられる。

物価高騰の影響もあり、大容量商品や低価格商品への支持は強まっている。例えば、パスタメーカー各社で販売している大盛り商品は、前年比で2ケタ増の伸びとなるなど、順調な推移となっている。スーパーにおいても、大容量商品の販売は順調なようで、売場での品ぞろえを広げるところもあった。
食品メーカーの新商品においても、値ごろ感を打ち出した商品も少なくない。あるメーカーの担当者は「相次ぐ値上げで財布のヒモは以前よりも固い。付加価値だけでなく値ごろに感じられる商品も大切だ」と話す。

小売店の関係者も「プライベートブランド商品の販売が伸びており、付加価値だけでなく価格訴求も重要になっている」と語る。

メーカー各社の商品では、ニチレイフーズは、350gの容量で買い求めやすい価格設定にした米飯「懐かしの炒飯」「懐かしのえびピラフ」を投入する。
味の素冷凍食品では、大袋の「AJINOMOTO ギョーザ 標準30個入り」をリニューアルする。今回から定番の「ギョーザ」と同じ製法を採用し、水や油、フタを使わなくても焼くことができる。

Umios(ウミオス、旧マルハニチロ)からは3種の丼ぶりの具を発売する。ふりかけの需要が高まる中、手軽にご飯のお供になる商品として提案する。

ニッスイは、水を加えてレンジで作る「スープカレー」を新たに追加する。鶏モモ肉を含む6種の具材や、もち麦入りごはんが入っている。

日清製粉ウェルナは、「青の洞窟」シリーズのエントリーラインとして、新シリーズ「青の洞窟 ピッコリーノ」を展開する。今回は「お肉の旨みあふれるボロネーゼ」と、「スモークチーズ香るカルボナーラ」の2品を販売する。

ニップンでは、「オーマイBig」シリーズのパッケージリニューアルに加えて、新商品「たまごとニンニクペペロンチーノ」を投入する。

「涼味」を打ち出した商品の投入も目立つ。
猛暑が長期化する中、調理を控える人や冷たいメニューを採用する人が増えている。そのため、冷凍食品の新商品でも、「冷たさ」を感じられる提案や、より調理を簡単にした商品も見られる。

ニチレイフーズは、「レンジで冷たい」シリーズとして「冷やし中華」「盛岡風冷麺」「冷やし豚しゃぶうどん」の3品を発売する。

日清食品冷凍は、夏場にも最適な冷凍麺を「夏のつゆだく麺」として提案する。第1弾となる今回は、「冷凍 日清本麺 だし醤油まぜそば」「冷凍 日清 ひもかわうどん 2食入り」「冷凍 日清スパ王プレミアム ゆず香る明太子のおだしパスタ」の3品を投入する。
テーブルマークは、流水解凍に対応した「カトキチ極細さぬきうどん」を提案する。
付加価値提案も目立つ。冷凍食品専門店などでは、冷凍食品としては高額な1,000円前後の商品も販売が順調に推移しているという声もある。

小売店の関係者は「抑えるところは抑えて、自分の好きなものなどにはお金を使う『メリハリ消費』が以前よりも広がっている。高単価な商品は『プチ贅沢』需要に応えられる商品として、今後より広がるのでは」と語る。
味の素冷凍食品からは、高級中華料理店のような食べ応えを追求した新シリーズ「ずっしり大餃子」から海老と黒豚の2品を投入する。

Umiosは、中華料理の有名店である赤坂璃宮が監修した「赤坂璃宮の小籠包」を発売する。
新たに開発した「レンゲ型トレイ」でスープを余すことなく楽しめる。
ニップンでは、「オーマイプレミアム」シリーズから期間限定品「至極のボンゴレ」を発売する。あさりと小柱にシャルドネワインを使用したソースが絡む贅沢なボンゴレとなっている。

キンレイは、ラーメンの有名店が監修した「お水がいらないプレミアム 中華蕎麦とみ田濃厚豚骨魚介らぁめん」を投入する。

好調に推移するワンプレート冷凍食品は、依然として注目度は高い。小売店の関係者は「冷凍食品は売場を広げているカテゴリーで、ワンプレート商品は昨今の時流に沿っていることもあり、今後も品ぞろえを広げたい」と話す。

一方で、具材の物足りなさなどを指摘する声もある。惣菜業界の関係者は「ストックできる点では非常に優れた商品だと感じるが、チルドの弁当と比べて具材感や、解凍のムラによっては凍った状態になってしまうことがあるなど、物足りなさを感じてしまうときがある。餃子や炒飯、冷凍麺など非常に優れた商品が多く出ているため、これを改善できればより良い商品になるのでは」と述べる。

メーカー各社の新商品は、ニチレイフーズは、「三ツ星プレート」から中華の3品目「油淋鶏&上海焼そば風」を発売する。ニッスイは、「蕎麦割烹倉田」の倉田政起シェフが監修した「まん福どん おだしの香るかつ丼」を投入する。

ニップンは、「よくばり」シリーズの新商品「よくばりプレート 3種野菜と海老のチリソース&天津飯」と、人気メニュー「同 デミグラスチーズハンバーグ&濃厚ナポリタン」、「よくばり御膳 しそひじきご飯とチキンカツおろし煮風」の2品を改良した。


テーブルマークは、同社初のワンプレート「うどん和膳」シリーズから、「彩り野菜かき揚げとちくわ天」と、「おろし豚しゃぶと揚げ茄子」の2品を発売する。
イートアンドは、「直火炒飯と回鍋肉」と「直火炒飯とたれつき肉焼売」を新たに販売する。

〈冷食日報 2026年3月9日付〉
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