〈ヤヨイサンフーズ・常務取締役営業本部長・栗田晋吾氏〉


業務用冷凍食品大手のヤヨイサンフーズは、商品の9割以上を国内自社工場で生産する、業務用冷食業界では類まれな強みをもつトップクラスのメーカーだ。

同社では現在、生産拠点として、清水工場(静岡市清水区)、九州工場(福岡県大牟田市)、長岡工場(新潟県長岡市)、気仙沼工場(宮城県気仙沼市)の4工場を構える。

本稿ではヤヨイサンフーズ・常務取締役営業本部長の栗田晋吾氏に、営業本部の25年度の事業総括と26年度の事業方針について話を聞いた。

――25年度の振り返りを。


継続しているインバウンドによる外国人観光客の増加から、人の動きという観点ではまずまずだった。国内旅行の需要増もあり、ビジネスホテルなどのチャネルに対しての商品供給は全体的に伸びていた印象だ。

一方で、物価高騰のあおりを受け、コスト環境の厳しさと顧客が単価の安い商品を求める動きが続き、全体としては苦戦している。

ルート別で、学校給食・施設給食・産業給食を含む給食ルートは、全般的に堅調に推移した。特に産業給食は、当社の商品力や営業力による積極的な提案が奏功し、売上が伸びた。学校給食の無償化については、行政の動きを見ながら慎重に対応を進めていく。施設給食は、人手不足から加工品の使用頻度が伸びている一方、生産コストの上昇とせめぎ合いになっている。やわらか食のソフリは前年並みで推移した。

中食ルートは、全体で見ればやや苦戦した。

外食ルートは前年を上回って好調に推移した。構成比はまだ拡大の余地があり、今後さらに伸ばしてくべき業態だ。


カテゴリー別では、ハンバーグ、デザート、煮魚、チキンカツなどが好調だった。

ハンバーグは、手ごろな価格帯のラインアップを中心に全業態で好調だった。デザートは、夏の需要期にアレンジダイスゼリーが好調だった。学校給食に加え、ホテル・レジャー施設などの外食業態で引き合いが伸びた。瀬戸内レモンの産地訴求や、ドリンクメニューの提案が奏功したと推測する。

グラタン・ドリアは、夏の長期化の影響からチルドタイプの販売期間が遅れつつあり、少なからず影響が見られる。その一方でフローズンタイプは、年中通して安定的に売れており、需要も堅調に推移している。

――新商品の販売動向は。


26年春は、外食向けに「ふわぷっち蒸しぱん」シリーズを新たに投入した。ホテルビュッフェをはじめとする当初想定の外食市場での採用が広がりつつある。加えて使いやすさや値ごろ感から、病院・給食施設や惣菜でも引き合いが伸びている商品だ。
【冷食メーカーインタビュー】働き方改善や業務効率化に手ごたえ さらなるシェア拡大目指す〈ヤヨイサンフーズ・栗田営業本部長〉
「ふわぷっち蒸しぱん」
「ふわぷっち蒸しぱん」
中食向けには、品質を追求したメンチカツ2品や、当社史上最大サイズのハンバーグを投入した。
いずれもお客さんからの反応が良く、手ごたえを感じている。

昨秋から展開しているセンターカットのさば商品については、得意先からも好意的に評価されている。営業部としても、おいしさや栄養価、食品ロスの削減など、商品の特徴を再認識できる良い機会になった。

――次年度以降「Umios」グループとして新体制を迎えるにあたって。


販売面でもUmiosグループとしての連携はさらに強化していきたいと思っている。グループでの協業を通じた、当社商品の海外展開なども期待したい。

――26年度以降の方針について。


当社全体の25年4~12月の累計業績は、掲げていた目標には届かなかった。しかしながら、社員の働き方の改善や業務の効率化は着実に進んでいる。シェア拡大や営業力の強化に向け、もうひと踏ん張りしていきたい。

加えて、当社の26年春の新商品では、自社のラインを生かした個性豊かな商品を複数投入した。

たとえば、中食向けに展開している「職人のこだわり 肉の極メンチ100」は、2層構造の生地や噛み応えのある肉粒感が特徴の商品だが、一般的なメンチカツより揚げ時間がかかる。
こういった個性も含め、お客さんにおいしさや価値を認めてもらうことが、当社のブランド力の向上につながっていくと思っている。
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「職人のこだわり 肉の極メンチ100」
「職人のこだわり 肉の極メンチ100」
〈冷食日報2026年3月16日付〉
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