2025年のみそ業界は、生産量・出荷量ともに数年ぶりのプラス着地となった。米食需要の拡大や外食価格上昇による内食化が進み、みそ汁需要が伸長したことも一因と考えられる。


海外では、健康志向の高まりなどを受けて日本食ブームが広まり、輸出も数量・金額ともに増加した。各メーカーが行った価格改定の影響についても、以前のように大きく落ち込むことはなかったという声が聞かれた。全体の価格帯が上がったことにより、消費者は品質を重視する傾向が強まっている。一方で、原料や包装資材の高騰が不安として残る。

全国味噌工業協同組合連合会(全味)がまとめた25年年間(1~12月)のみそ生産量は前年比1.8%増の36万2,589t、出荷量は前年比1.8%増の36万2,356tと、いずれも前年超えで着地した。生産量が前年を超えたのは19年以来6年ぶり、出荷量が増えたのは16年以来9年ぶりとなる(グラフ)。

落ち込みが続いていたみそ業界にとっては明るい話題となった。

全体の押し上げもあり、好調だったと振り返るみそメーカーが多く見られた。

ともにプラス着地となった背景として、米食需要の増加と輸出拡大が考えられる。米が高騰したことにより、買いだめされていたと思われる家庭内在庫が消費されたと分析する声も聞かれた。ご飯に合うみそ汁の需要が伸びたと考えられる。さらに外食のメニュー価格が上がったことで、内食化が進んだ。
あらゆる食品値上げが行われる中、みその価格上昇は他の品目と比べると許容範囲と受け入れられ、買い控えにはつながらなかった可能性もある。

輸出については、日本食ブームが後押しした。

健康意識の高まりによって、みそは世界中から注目されている。輸出に力を入れるみそメーカーによると、特に有機みそは海外からの反応が良く、欧米を中心に人気を集めているという。

財務省の輸出通関実績によると、25年のみそ輸出実績は、数量が前年比1%増の2万3,825t、金額が13%増の71億4,180万円と、ともに前年を上回って着地した。今年に入ってもみそ市場は好調が継続している。全味のまとめた1月の生産量は前年比0.6%増の2万7,453t、出荷量は2.4%増の2万6,513t、2月の生産量は前年比3.3%増の3万423t、出荷量は0.5%増の2万8,329tに。1月、2月と生産量・出荷量が前年同月を超える好スタートを切っている。

〈原料高と包装資材の高騰に不安残る、資材不足による供給制限を懸念〉


みそ業界では25年に各社が価格改定を行った。マルコメは12月に価格改定を行ったものの、以前のような大きな落ち込みはみられなかったとしており、26年3月期の生みその出荷金額は2ケタ増で着地した。

一方、秋以降に数量、金額とも好調に推移したという他メーカーの声も聞かれた。業界では今後、6月にハナマルキ、7月にひかり味噌の大手メーカー2社がそれぞれ値上げを控えている。


業界全体の値上げが進んだことにより、消費者は価格ではなく好みや品質で選ぶ傾向が高まった可能性も指摘される。山髙味噌の「秘蔵み

そ」や信州味噌の「コクとかおり」といったアッパー商品の好調が目立った。

各社が価格改定などで対応したものの、足元のコスト環境では2点不安が残る。

1点目は原料高だ。米価高騰はピークからは落ち着いたものの、円安傾向により輸入米の価格は高止まりしている。国内外問わず安い米を探し、都度表示を変えて対応する中堅メーカーもあるようだ。

大豆のシカゴ大豆相場は11ドル付近と高い水準で推移しており、円安によるコスト増も継続している。一方、国産大豆は比較的豊作見込みのため、外国産との価格差が小さくなりつつあることから、国産への切り替えを検討するという声も聞かれた。

2点目は原油不足による包装資材の高騰だ。袋やカップの値上げが予想される。資材メーカーから値上げの可能性を示唆されたみそメーカーが数社あり、すでに1社は値上げ確定を告げられた。

「値上げで済むのであれば、一時的と割り切って乗り越えていく」と覚悟しているみそメーカーも見られた。
資材不足で供給ができなくなることを懸念する。

新製品では、ひかり味噌が3月に発売した「CRAFT MISO とろみ」に注目だ。とろりとした柔らかい性状のだしを含まないボトル入りみそで、「CRAFT MISO」ブランドの第2弾として注力する。

新たな取り組みでは、マルコメが26年9月に新熟成棟を竣工する予定だ。無添加の需要増に対応するもので、引き続き設備投資に力を入れる。「減塩追いこうじみそ」、「すぐ旨カップみそ汁」、「液体塩こうじ」を三本柱に掲げるハナマルキは、「液体塩こうじ」の海外展開をさらに進める。海外ではこれまで業務用を中心に展開していたが、まずは米国から、210mlの小容量タイプで一般販売に挑戦する。

〈大豆油糧日報 2026年4月9日付〉
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