日本コカ・コーラは、外食産業の活性化と飲食店での体験価値向上に向け、瓶コークを軸にした外食施策を2026年に強化する。栓を抜き、グラスに注いで飲むという瓶ならではの体験が、外食の時間をより印象的なものにするとみて、「パーフェクトサーブ」や認定制度「コカ・コーラ Foodmarks」の展開を広げる。
2026年は重点エリアを全国10カ所に拡大し、第1弾として沖縄・那覇の複合商業施設「MAKISHI CARNIVAL」で4月30日から始める。

4月10日に開いた「外食チャネル施策説明会」で、マーケティング本部コカ・コーラTM事業部シニアディレクターの北原晧介氏と、フランチャイズオペレーション本部Eating&Drinkingチャネル ディレクターの金田伊代氏が施策の背景と今後の方針を説明した。
日本コカ・コーラ、瓶コークで外食の体験価値向上へ 重点エリアを全国10か所に拡大
外食における体験価値向上の取り組みを説明する金田氏(左)と北原氏
外食における体験価値向上の取り組みを説明する金田氏(左)と北原氏
北原氏は、今回の取り組みについて、同社のグローバルミッション「Refresh the World. Make a Difference.」に基づくものとしたうえで、日本の小売店や飲食店に前向きな変化をもたらし、飲食店のビジネス拡大に着実に貢献していきたい考えを示した。消費者に「コカ・コーラ」ならではのおいしさと楽しさを提供すると同時に、外食産業を応援する施策として位置づけている。

【外食で高まる体験価値、瓶コークに着目】

背景には、外食で求められる価値の変化がある。資料によると、国内の「コカ・コーラ」の飲用シーンでは「食事と一緒に」が最も大きく、その中でも外食が主要な接点となっている。一方、昼食・夕食時に「コカ・コーラ」を飲む割合は日本では2%にとどまり、トップ40カ国平均の12%を下回る。

説明では、この差を成長余地とみるとともに、物価高や節約志向が強まる中では「なぜわざわざ外で食べるのか」という意味が一段と問われているとした。レストランやバーのように体験要素の強い業態は、内食や中食に代替されにくいとされ、同社は飲食店での体験価値向上に着目している。
日本コカ・コーラ、瓶コークで外食の体験価値向上へ 重点エリアを全国10か所に拡大
店舗に提供する「瓶コーク」を訴求するポスター
店舗に提供する「瓶コーク」を訴求するポスター
その中核に据えるのが瓶コークである。瓶の強みとして挙げたのは、1915年採用のコンツアーボトルという象徴性、栓を抜いて注ぐ体験そのものの楽しさ、飲食店中心の商品であることによる柔軟な価格設計、そして若年層にはレトロで新鮮に映り、年配層には懐かしさを感じさせる点だ。商品そのもののおいしさに加え、開栓から注ぐ所作まで含めて価値をつくれることが、外食で瓶が持つ特徴だという。


【「注いで飲む」体験が全国に拡大】
日本コカ・コーラ、瓶コークで外食の体験価値向上へ 重点エリアを全国10か所に拡大
瓶コークによる体験価値を広めるための店舗グッズを開発
瓶コークによる体験価値を広めるための店舗グッズを開発
2025年は、その瓶コークを最高においしく飲む方法として「パーフェクトサーブ」を訴求した。専用グラス、専用コースター、専用栓抜きを使い、客自身が開栓して注ぎ、飲む体験を提案するもので、人手不足の飲食店でも導入しやすいよう資材はキット化して供給した。「瓶で飲むキンキンに冷えたコカ・コーラがおいしかった」「注いで飲む体験が楽しかった」といった声が寄せられ、体験価値として評価されたことが大きな学びだったと振り返った。資料によると、2025年は全国約2万店舗で新たに展開した。

あわせて、「おいしい食事と最高のコカ・コーラ体験ができる店」として認定する「コカ・コーラ Foodmarks」も広げた。瓶コークの取り扱い、パーフェクトサーブでの提供、メニューでの「コカ・コーラ」表記、店舗スタッフの協力などを条件に、店舗全体で体験価値を高める仕組みで、2025年は全国47都道府県で約400店舗に拡大した。都内の渋谷横丁では期間中、客単価が112円上昇し、新橋のグランハマーでは集客が約9.8%増加するなど、同社は瓶コークを軸にした取り組みが、外食の魅力向上と売上・集客の両面に寄与したとみている。
日本コカ・コーラ、瓶コークで外食の体験価値向上へ 重点エリアを全国10か所に拡大
瓶コークを最高においしく飲む方法(投影資料)
瓶コークを最高においしく飲む方法(投影資料)
金田氏は、2025年の成果について、消費者にとってはおいしくて楽しい体験となり、飲食店にとっては集客や売上の増加につながり、さらに「うちでもやりたい」と広がっていく循環が生まれたと説明した。瓶コークを切り口に、飲食店の体験価値向上と事業面の成果を両立できることが確認できた格好だ。

【2026年は全国10エリアへ、展開をさらに強化】
日本コカ・コーラ、瓶コークで外食の体験価値向上へ 重点エリアを全国10か所に拡大
外食施策の強化へ「コカ・コーラ Foodmarks」の重点エリアを拡大(投影資料)
外食施策の強化へ「コカ・コーラ Foodmarks」の重点エリアを拡大(投影資料)
2026年は、この取り組みをさらに強化する。パーフェクトサーブは前年の2倍、Foodmarksは5倍規模への拡大を目指す。食べログ内に「コカ・コーラが飲める店」の専用サイトを設け、瓶コークが楽しめる店やFoodmarks認定店を探しやすくするほか、業態やフードペアリング、オケージョンに応じたPOPや資材のバリエーションも増やす。
AIを活用したPOP作成ツール「Coke MD Lab」も導入し、各店に合わせた提案をしやすくする。こうした施策は、いずれも瓶コークによる体験価値をより広く、より深く飲食店に根付かせる狙いがある。

重点エリアの展開でも、瓶コークによる体験づくりを前面に出す。第1弾となる沖縄・那覇の「MAKISHI CARNIVAL」では、「琉球ヴィンテージモダン」をコンセプトに、施設の歴史や文化、客層に合わせたテーラーメイド型のブランディングを行う。シーサーがコカ・コーラの瓶の王冠をかぶったロゴを取り入れるなど、地域性を生かした演出も施す。金田氏は5年、10年先も続く取り組みにするには、エリアや飲食店ごとの個性に寄り添ったブランディングが必要だと説明した。

【コーク以外の瓶製品も展開、体験提案を広げる】

瓶の価値は「コカ・コーラ」単体にとどまらない。説明によると、瓶製品にはカナダドライ ジンジャーエール、クラブソーダ、トニックウォーターのほか、ハイシーオレンジ、煌のウーロン茶、ファンタ グレープもある。今年は「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロ」「カナダドライ ジンジャーエール」を「瓶3兄弟」として、外食店での提案を強める考えも示した。瓶というフォーマットそのものを、外食の体験価値向上に活用しようとする姿勢がうかがえる。

料理との組み合わせ提案も、その一環に位置づけられる。説明では、唐揚げのような定番に加え、寿司もおすすめだという。
金田氏は、特に味の濃いマグロやうなぎは「コカ・コーラと合わせることでコクが増す」とし、味わいの面だけでなく、「寿司のようなハレの日の食事でも気分を上げてくれる」と語った。

同社は瓶コークを単なる飲料としてではなく、料理と組み合わせながら外食の時間を演出する存在として、提案の幅を広げる取り組みとして位置づけている。
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