1968年6月26日にアメリカから日本へ小笠原諸島が返還され、今日で44年。また世界遺産に登録されてから、約1年の歳月が流れた。

小笠原諸島は東京都小笠原村という住所ではあるが、東京から約1000km離れた太平洋上に浮かんでおり、緯度は沖縄とほぼ同じ。1年の平均気温は23度程度と温かく、東洋のガラパゴスと称されるほど動植物の固有種も多い。海にはサンゴ礁が広がり、イルカや熱帯魚が一年中泳ぎまわる、まさに南の楽園だ。
その上、欧米系と日系の入植者が仲良く暮らしてきた歴史もあってか、島民はオープンな性格の方が多いそう。

そんな素敵な島だけに、移住を夢見る人もいるかと思うが、個人サイト「小笠原暮らし」によると、どうもうまい話ばかりではないようだ。

「『定年になったら小笠原に住みたいな。土地安いんでしょ?』と言われる。交通の便が悪く過疎化した田舎のイメージからそう思うようだが、実は地価は高い。上水道が集落にしか引かれていないので、人の住める場所が限られており、また国有地が多く私有地も大地主で小売りをしないからだ。村の分譲地もあるが造成にお金がかかっているためそう簡単に買える金額ではない。そして運良く土地が手に入ったとしても、上物を建てる費用は半端ではない。材料はすべて内地から船で持ってくるし、人件費も都内並みだからだ。

そのため小笠原のアパートも家賃がバカ高い。私が住んだアパートは6万5000~8万円。すべて6~8畳の1Kだ」

さらに「YAHOO!知恵袋」にはこんなコメントも。

Q.小笠原諸島に住むのは不便ではないですか?

A.公共料金も物価も高い、今はガソリンが内地価格+100円。命に関わる急病だと救急車代わりに自衛隊の飛行艇で東京港区の病院まで約6時間、船便は週一便片道26時間、白アリの大量発生や大型台風銀座…等々。だからこそ『辿り着いた者だけ体感できる島』なんです。

降水量が少なかった昨年は、深刻な水不足も発生。世界遺産に登録された影響で急増した観光客が、島の事情を考えずに水の浪費することも問題となったという。

大手3社の携帯回線やインターネット用の光回線が引かれるなど、ここ数年で情報のインフラは整備されたが、まだまだ不便なことも多い小笠原諸島。それを乗り越えて、夢の大自然生活を手に入れたい人は総合サイト「小笠原チャンネル」に求人情報などの役立つ情報がアップされているので、ぜひ覗いてみよう。

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