7月29日はフランス・パリの「凱旋門完成の日」。凱旋門は、かのナポレオンが建設を命じたもので、1836年に完成。
さて、日本を代表する建造物というと、歴史ある城や寺社などがポピュラーだ。また、各地に多数ある銅像や石像にも、その土地の歴史や風土が反映されている。地元に縁のある歴史的人物から人気のアニメキャラクターの像まで、そのジャンルも幅広い。
今回は、そんな「ご当地像」の中でもちょっとユニークな像をいくつかご紹介したい。
■大分県別府市「油屋熊八像」
JR別府駅前に建つ銅像で、別名「ピカピカのおじさん像」。油屋熊八は、別府温泉の観光開発に尽力した人物だ。銅像といえば難しい顔をして仁王立ちのイメージだが、この像はなんといってもポーズがユニーク。片足立ちで両手をあげ、マントの裾には小鬼が取りついている。今にも動き出しそうで愛嬌たっぷりなのだ。制作者によると、「天国から舞い降りた熊八が『やあ!』と呼びかけているイメージ」とのこと。
■栃木県宇都宮市「宇都宮餃子像」
JR宇都宮駅前に建つ餃子の石像。
■京都府京都市「折田先生の像」
京都大学構内に、毎年受験シーズン(2月下旬)になると突如現れるハリボテの像。折田先生とは、京都大学の基盤をつくったとされる人物だ。アニメキャラクターやCMのマスコットキャラなど、毎年違ったユニークな「折田先生」が登場するのがなんとも楽しい。
このように各地に点在するご当地像。なかでも東海地方の人にはお馴染みである、名古屋駅の「ナナちゃん」について今回は詳しくご紹介したい。ナナちゃんは、可愛い名前とは裏腹に身長6メートルを超す巨大なマネキン像。
名鉄セブン館(現在は閉館)の一周年記念としてシンボルになるものをつくりたい、というきっかけで、昭和48年にお目見えしたナナちゃん。名古屋駅近く、名鉄百貨店メンズ館の入り口前にあり、季節やイベントに合わせて服をこまめに着替えている。
愛知啓成高等学校の制服を着るナナちゃん
こまめに着替える理由について名鉄百貨店の広報担当者にお話を伺った。
「ナナちゃんのお洋服のパターンは、年間20~30着ほど。当店のキャンペーンだけでなく、映画やレジャー施設の広告塔として活躍したり、学生がデザインした服を着たりすることもあります。ドラゴンボールZの孫悟空やスパイダーマンなど、誰もが知っているキャラクターに変身したときは特に、お客様の反響がありましたね」さすが百貨店の顔ということもあり、約2週間に1回は新しい服に着替えている計算になる。周りの反応はというと、
「着替えるたびにブログなどで紹介してくださる方もいます。また、観光客の方も、ナナちゃんと同じポーズで写真を撮ってくださったりして、ちょっとした観光名所になっているようです」とのこと。かなり目立つ存在なので、駅利用者の待ち合わせ場所としても定着している。
ご当地像は実に色々あるが、建てられて時間が経つと新鮮味が薄れてそれほど意識されなくなってしまうケースもある。ナナちゃんのように洋服をこまめに着替えたり、折田先生像のように期間限定で出没するなど、ご当地像の存在を再認識できるような取り組みがあると、彼らも地域の中でもっと活きるのかもしれない。
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