徳島県といえば阿波踊り、それに因んで名付けられた地鶏「阿波尾鶏」とは?
●四国・徳島県を旅するなら、ぜひ食べたいのが地元のブランド地鶏「阿波尾鶏」。旨味と歯ごたえのバランスが秀逸な阿波尾鶏を食べ尽くす旅の魅力をご紹介しましょう。
おいしいものがいっぱいの徳島県。
地鶏といえば「日本三大地鶏」(比内地鶏、さつま地鶏、名古屋コーチン)が有名ですが、実は20年に渡って生産量日本一の地鶏が、この阿波尾鶏なのです。

阿波尾鶏とは、徳島県で古くから飼育されていた軍鶏(阿波地鶏)をブロイラー種に交雑して優良種に固定した肉用品種。うま味成分であるイノシン酸を多く含有し、身が締まっており、旨味と歯ごたえのバランスが抜群です。
地養素を配合した飼料とオリーブ粕を餌に育つ阿波尾鶏は、1平方メートルあたり10羽以下という、ゆったりとした飼育密度の中で育成されます。ストレスを極限まで抑えているのも美味しさの秘密なのです。
今回オススメしたいのは、この阿波尾鶏を目的にした徳島旅。同県の新たな魅力が再発見できること請け合い! というわけで、いざ阿波尾鶏を巡る旅にご案内しましょう。
徳島県の各地で食べられる阿波尾鶏

阿波尾鶏を巡る旅、まず訪れたいのは、美馬郡つるぎ町にある徳島県の道の駅第一号「貞光ゆうゆう館」。つるぎ町特産の熟成阿波尾鶏はもちろん、半田そうめん、ゆず、すだちなどの地域の特産品、お土産品を販売。

地元の農家さんによる朝採れ野菜は新鮮そのもの。特産品を生かした料理が食べられるレストランもあり、シンボルタワーからは吉野川を臨む360度ビューが楽しめます。

物産館の熟成阿波尾鶏コーナーには手軽にすぐ食べられる熟成阿波尾鶏の加工品も色々あるうえ、レストランでは地元の特産品を生かしたメニューも充実しています。阿波尾鶏がメインのメニューは鉄板焼き、唐揚げ、阿波尾鶏カレー。シンプルに阿波尾鶏を味わうのなら鉄板焼きがおすすめ。地元の魚や半田そうめんもぜひ。
●DATA
貞光ゆうゆう館
住:徳島県美馬郡つるぎ町貞光大須賀11-1
TEL:0883-62-5000
営:8:30~18:00(3月下旬-11月下旬)
休:レストラン:水曜、物産館:第三水曜
徳島の文化と歴史と食を体感できるトロッコ列車

徳島県では、2020年から徳島駅~阿波池田駅間を、「藍よしのがわトロッコ」という観光列車が結んでいます。名前の由来は吉野川が育んだ「阿波藍」。徳島では藍で富を築いた藍商人により、阿波おどりをはじめとする徳島の文化が花開きました。
走行区間は先述の通りJR徳島駅~阿波池田駅までですが、通常の車両とトロッコ車両が連結されている関係で、トロッコ車両の乗車区間は石井駅~阿波池田駅間になります。

車内ではガイドさんが地元の歴史や文化を紹介してくれます。トロッコ車両はテラス席のようで開放感たっぷり。吹き抜ける風を感じながら緑いっぱいの吉野川の絶景をながめ、お酒や軽食も楽しめます。

実は2016年に県の駅弁が途絶えてしまっていた徳島県。
●INFO
藍よしのがわトロッコ
運転区間:徳島駅~阿波池田駅(トロッコ乗車区間は石井駅~阿波池田駅間)
もちろん、街中でも食べられる阿波尾鶏

徳島駅からほど近く。地元で人気の居酒屋『とくさん』では、備長炭で丁寧にあぶられた阿波尾鶏がいただけます。パリッとした香ばしい皮の焼き加減と阿波尾鶏ならではの肉の弾力と旨みがすごいと評判です。

阿波踊りもいいけど、阿波尾鶏もね! というわけで阿波尾鶏を探しながら旅行をすると徳島県の新しい魅力が発見できるはず。心も胃袋も満たされる楽しい徳島旅行をぜひどうぞ。
●著者プロフィール
工藤真衣子
Photographer。人物を中心に様々な媒体で撮影。グラビア、インタビュー、プロフィール、ドラマ映画スチールなど。