●東京・東銀座で話題のハンバーグ専門店『挽肉屋 神徳』の魅力とは?
銀座といえば、明治時代から最先端の洋食文化を発信し続けてきた街。今でも長い歴史を誇る高級洋食店が点在しており、オムライスやハヤシライス、カツレツ、シチュー、クリームコロッケなど名物グルメがたくさんあります。
一方で、洋食文化の発信地である銀座はいつの時代も進化し続けており、実は、老舗とはまた趣の違った個性をウリにする新興系の洋食店もたくさんあります。今回、ご紹介する店も、そんな新しいお店のひとつ。
それが2022年4月に東銀座にオープンし、ハンバーグをちょっと変わったスタイルで出す『挽肉屋 神徳(ひきにくや じんとく)』です。新しいお店なのですが、ランチタイムには行列ができる人気店になっています。
このお店のハンバーグは、いわゆる一般的に理想とされる「ふっくら、柔らかく、肉汁が溢れ出る」タイプとはまったく違います。でも一度食べたら、また食べたくなる。だからつい並んでしまう……そんな魅力を持ったハンバーグ。というわけで、さっそくその魅力をご紹介していきましょう。
選べるスタイル、選べる挽肉!
まずは『神徳』のメニューの説明から。写真を見ていただくとわかる通り、料理は「定食」、「丼」、「出汁」というスタイルに分かれています。変わったところで言えば、「出汁」スタイル。ハンバーグとご飯を盛った皿に、上から和出汁や出汁カレーをかけていただく、非常に斬新なスタイルです。
続いて「定食」。
たとえば、ハンバーグ定食を1.5人前にし、牛・羊・鮪の3種類を選ぶと、牛挽きのハンバーグが2個、羊の挽肉のハンバーグが2個、鮪の挽肉のハンバーグが2個、つまり計6個のハンバーグが出てくるんです。そもそも、牛や豚ならともかく、羊や鮪、鯛の挽肉まで選べる時点で、かなり変わってますよね。
では、最後に「丼」のスタイルの説明です。
「丼」スタイルの場合、選べるのは牛挽のハンバーグのみです。こちらも1人前(1150円)、1.5人前(1580円)、2人前(1990円)とあり、牛挽のハンバーグがそれぞれ2個、3個、4個と増え、丼ご飯の上に重なって串刺しにされて登場。ハンバーグの上には、大根おろし、卵黄、そして自家製のオニオンおろしソースがかかっています。
このように、一般的に想像するハンバーグとは、提供スタイルにかなり大きく隔たりがあることがお分かりいただけたかと思います。
ハンバーグ自体も相当変わってる!
提供スタイルも変わっていますが、ハンバーグ自体も相当変わっています。前述したように、牛肉だけでなく鮪や鯛などを挽肉にする時点で珍しいですが、実は牛肉を使ったハンバーグの味や食感もひと味違うんです。
写真のように、つくねのようにぎゅっと握ったようなしっかりした歯応えがあり、肉がみっちり詰まっているのです。まず、カットしても肉汁が溢れ出ません。が、しかし、噛めば噛むほど肉の旨みが舌に広がります。ひと言で言うと、「肉を喰らえ!」と言わんばかりの、肉々しく力強いハンバーグ。
実は、ここの牛ハンバーグの挽肉は、牛肉100%に牛すじを加えた超粗挽き。そして常に挽きたての肉をつなぎなしで使用しています。そのハンバーグのタネを炭火で焼き、2割ほど縮めた状態にしているとのこと。この炭火で焼く工程を『神徳』では「焼き締め」と呼んでおり、これによって、ふわふわのハンバーグではなく、“ギュウギュウ”のハンバーグを目指しているんだとか。
まとめ
今回、筆者がいただいた「ハンバーグ丼」は、大根おろし、卵黄、自家製オニオンおろしソース(醤油と玉ねぎとりんごのすりおろし)がハンバーグにかかっており、このコラボレーションが素晴らしい! いずれも素材はシンプルながら、肉々しいハンバーグに優しい味が寄り添い、肉の旨みを何倍にも底上げしています。
“ハンバーグ丼”と言うとそこはかとなくジャンクなイメージがわきますが、ここ『神徳』のハンバーグ丼は別。やはり銀座の街にふさわしい贅沢な丼でした。1人前なら1150円ですが、ハンバーグが割とさっぱりめなので、少食でないなら、女性でも1.5人前以上を注文することをオススメします!
●SHOP INFO
店名:挽肉屋 神徳
住:東京都中央区銀座3-11−16
TEL:03-6264-2292
営:11:30~16:00、18:00~21:00
休:月曜
(撮影・文◎土原亜子)