イタリアレストランのシェフやイタリア料理教室を主宰する料理研究家など、イタリアの食を知るプロの料理人たちがこぞって太鼓判を押す柑橘系フレーバーオリーブオイルがあるのをご存知ですか。

 日本で入手できる数あるフレーバーオイルの中でも、ほんの数滴、いや、ものによってはたった一滴加えるだけで、いつもの料理がたちまち素敵な一品に変身するというのです。

 ガーリックやペッパーなどのフレーバーオイルは想像がつくけれど、柑橘系となるとどうやって使うのか戸惑う方もいるのではないでしょうか。

 噂のフレーバーオリーブオイルはレモンとオレンジの2種類。イタリア直輸入の食材を扱うオンラインショップで取り寄せ可能です。さっそく輸入販売元の「ARANCIA ROSSA(アランチャロッサ)」代表・山内美千子さんにオイルの特徴や使い方を伺うことに。

そもそもフレーバーオリーブオイルとは?

食のプロも太鼓判! 一度使ったらほかのは使えなくなる「柑橘系フレーバーオリーブオイル」とは?

「フレーバーオリーブオイルはメーカーや製造方法によって違います。

 エッセンスや人工的な香りをつけたフレーバーオイルも出回っていますが、このレモンオリーブオイルは南イタリア・ソレント産のレモンの皮をオリーブオイルの樽に6週間ほど漬け込んだ後、皮を取り除いてボトリングしているので、比べてみるとその違いがすぐにわかると思います。レモンの酸っぱさではなく、レモンの皮の香りそのものを感じることができます。

 オリーブオイルにレモンを絞った感じ? と思う方がいますがまったく別ものです。オリーブオイルにレモンを絞るという食べ方が合うものもありますのでそれ自体は否定しませんが、絞ったレモンの酸味が際立ち、せっかくの素材の味が酸っぱさで負けてしまうこともあります」(山内さん・以下同)

食のプロも太鼓判! 一度使ったらほかのは使えなくなる「柑橘系フレーバーオリーブオイル」とは?

 ふと、自家製リモンチェッロ(レモンのリキュール)を出すレストランのスタッフが「レモンの香りは果肉や果汁ではなく皮の香りなんだよ」と言っていたのを思い出しました。

「そうそう、リモンチェッロと同じ製法でつくられたオイルなんですよ。カテゴリーとしてはフレーバーオイルですが、天然の皮で香りづけしたものです」と山内さん。それではそろそろ、レモンオリーブオイルの使い道をご紹介していただきましょう。

「やはりイメージしやすいのはサラダのドレッシングやカルパッチョ、ピッツァの仕上げにといったところでしょうか。

たとえばドレッシングならビネガーと1:1で、爽やかな即席ドレッシングの完成!」

食のプロも太鼓判! 一度使ったらほかのは使えなくなる「柑橘系フレーバーオリーブオイル」とは?

「イタリア流ならパンナコッタやジェラートなど、ドルチェに登場することも多いです。ヨーグルトやバニラアイスなどの乳製品との相性もよく、柑橘の香りをより引き立てくれます」

食のプロも太鼓判! 一度使ったらほかのは使えなくなる「柑橘系フレーバーオリーブオイル」とは?

目からウロコの活用法! 意外なものにも合うんです

食のプロも太鼓判! 一度使ったらほかのは使えなくなる「柑橘系フレーバーオリーブオイル」とは?

 イタリアンならではの王道の使い方に続いて、山内さんもイチ押しの柑橘系フレーバーオリーブオイルの意外な使い方を教えていただきました。

「意外かもしれませんが、焼き魚に合うんです。イサキの塩焼きやサンマの塩焼きにも使いますよ。オイルをかけることで魚の旨みが増すんですよね。実はお醤油とオリーブオイルって相性がいいんです。焼きなす、冷奴でも◎。レモンオイルにお醤油、ぜひ試してみてください。」

 焼き魚に合うとは! 思いもよらない発想! さっそく試したい衝動に駆られますが、考えてみれば幽庵焼きにはゆずやかぼすを用いるし、サンマの塩焼きにはすだちやかぼす、レモンを添えるお店だってありますよね。納得です。

「あとはバターの代わりにレモンオリーブオイルを活用しても美味しい。ホットケーキやトーストにもぜひ。フォカッチャにオリーブオイルをつけて食べる感覚に似ていますが、またひと味違った味わいが楽しめます。

トーストにはちみつとレモンオイルがお気に入りです」

 おお! はちみつとレモンの蜜月を知らない人などいないのではないでしょうか。これもすぐさま試してみたくなります。

「たこ焼きにレモンオリーブオイルが合うと教えてくれたお客さまもいました。私はまだ試していませんが、魚介の延長線上にある食べものなので興味津々ですね」

 ソース以外で食べるたこ焼きも今では珍しくありません。次から次へと試してみたいものが出てきます。ところで、オレンジオリーブオイルはどうでしょう?

「オレンジオリーブオイルは断然キャロットラペ! 人参の美味しさがオレンジの香りでぐんと引き立ちます。ラペの仕上げにぜひお使いください。お好みですがベネチアの郷土料理イワシのサオールに使ってもいいですね。

 レモン同様、ホットケーキ、パンケーキ、乳製品に合います。チョコレート系ドルチェとの相性も抜群です。レストランではトマトパスタにも使われています。これからの季節、冷製パスタでぜひお試しください。

 フレーバーオリーブオイルは一般的なオリーブオイルのようにたくさん使うことはないですが、少量ボトルでも1本あるととても便利な調味料。使っていくと新鮮な発見がありますよ」

食のプロも太鼓判! 一度使ったらほかのは使えなくなる「柑橘系フレーバーオリーブオイル」とは?

 かくして手に入れたプロも絶賛するフレーバーオリーブオイル2種。試してみたいあれこれを前に、もっか、完熟トマトジュースに数滴のオイルを混ぜただけで特製の冷製スープとか即席ガスパチョとか言いながら我が家のもてなしの一品として好評を得ているのでありました。

(取材・文◎笹森ゆうみ)

●DATA

「ARANCIA ROSSA(アランチャロッサ)」

レモンオリーブオイル250ml、オレンジオリーブオイル250ml 各2,916円
レモンオリーブオイル250ml、オレンジオリーブオイル100ml 各1,836円

●INFORMATION

>>「ISEPAN 2018」

5月23日(水)~28日(月)に開催されるパン好きのためのパンフェスティバル「ISEPAN 2018」に「ARANCIA ROSSA」も出店します。

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