東京に数ある地方のアンテナショップのなかで、「広島」はトップクラスの人気だというのをご存知でしょうか? そんな広島は、京都の伏見、兵庫の灘に並ぶ「日本三大酒処」のひとつ・西条があるので、日本酒造りのさかんな県でもあります。
そこで今回は銀座一丁目の「ひろしまブランドショップTAU(タウ)」で、日本酒などのお酒に合う広島ならではのおつまみを教えてもらいました。
呉生まれの「がんす」は広島県民のソウルフード
「がんす」は呉市広町生まれの揚げかまぼこ。魚のすり身と玉ねぎの練り物をパン粉でコーティングして揚げるのが一般的で、「~でございます」の広町の方言である「~がんす」からもじって名付けられたそうです。

三宅水産の「うまいでがんす」は七味唐辛子が使われおり、ピリッと辛いのが特徴。これにより保存性を高めており、賞味期限は7日間となっています。

がんすはオーブントースターで温めるのが一番オーソドックスな食べ方。マヨネーズをつけて食べれば、ちょっとジャンクな風味で酒のアテにぴったりです。呉や黒瀬町ではおでんの具にも使うそうですよ。
牡蠣の旨みがぎゅっと詰まった「カキ大将」
広島といえば、牡蠣の生産量が日本一。そんな広島の牡蠣を使った定番土産が「カキ大将」です。宮島産の大ぶりな牡蠣を使ったカキ大将は、日本酒に合わせるとぴったり。

秘伝のタレに漬け込まれた牡蠣は、溢れんばかりの旨みが魅力です。それもそのはず、牡蠣をボイルしたときに抽出される液を長時間濃縮してできる“牡蠣エキス”がタレにも使われているんです

このままでも食べられますし、袋のままで電子レンジもしくは熱湯で温めるのもおすすめ。見た目にもインパクトがあるので、お土産としてよろこばれるのにも納得です。
「レモ缶ひろしま小鰯のアヒージョ」はワインとの相性抜群
広島市内では、カタクチイワシが「小イワシ」という名称で長く親しまれてきました。安く手に入る庶民の食料として、広島では生活に欠かせない魚だったのだとか。

広島産のレモンの皮と果汁に瀬戸内産の藻塩を合わせて熟成した「藻塩レモン」に、ガーリックの風味を効かせた小イワシの缶詰です。こってりしているのかと思いきや、レモンの酸味でさっぱりしています。クラッカーやフランスパンに載せたり、パスタに和えたりしてもおいしいはず。

ワインに合わせるだけでなく、これなら日本酒のお供にも良さそうです。缶詰とはいえ、ご当地っぽさとオシャレさが共存しているので、手土産にも良さそうですね。
「コリコリホルモン せんじ揚げ」は歯ごたえ十分
「せんじ揚げ」とは、豚の胃袋(ガツ)などのホルモンを揚げた珍味のこと。広島では「せんじ肉」や「せんじがら」と呼ばれ、広島市西区の食堂や精肉店で作られたのが始まりだと言われています。

せんじ揚げは、湯引きしたガツを油で20~30分揚げて干したものを塩や調味料で味付けしています。最初はゴムを噛んでいるような食感なのですが、噛めば噛むほど味が出てきて、ビールや焼酎が進むこと必至。

地元ではそのまま食べるだけでなく、肉じゃがやモツ煮込みなどの料理にも使われるのだとか。保存も効くので、お酒のアテとしてストックしておくといいいですよ。
冬の尾道の特産品「でべら」は昔ながらの干物
瀬戸内海沿岸の地域で食べられている「でべら」。県外の人には馴染みのない名前ですが、これはタマカンゾウヒラメ、通称「デメヒラメ」をカラカラに干したものです。

ただし、食べるにはひと手間必要です。木槌やピンの底で身を叩いて柔らかくしてから、ストーブやオーブントースターで炙ります。あとは割いて七味マヨネーズなどを付けて食べます。

海沿いの町ならではの酒の肴は、シンプルだからこそいくらでも食べられてしまうはず。少し炙って熱燗のなかに入れてひれ酒のようにする人もいるそうです。
ピリッとした辛さがクセになる「広島菜漬」
長野の野沢菜、九州の高菜とともに、日本三大漬菜の「広島菜」。全国的にはあまり知られていないかもしれませんが、広島県民にとっては馴染み深い漬物なんです。

山豊の「ちーず粽菜(ちまきな)」は、きゅうりの醤油漬けとチーズを広島菜で巻いた漬物。広島菜自体にはわさびのようなピリッとした辛さがあるのですが、チーズが味わいをまろやかにし、きゅうりのポリポリとした食感も楽しめます。

素朴な漬物ではありますが、広島で昔から食べられているということを考えると、「これぞ広島!」な酒の肴かもしれません。
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ひろしまブランドショップ TAUには、今回紹介したお土産だけでなく、広島お好み焼きや広島の食材を使った和食、イタリアンのお店もあり、さまざまな広島グルメが楽しめます。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
●SHOP INFO

店名:ひろしまブランドショップTAU
住:東京都中央区銀座1-6-10 銀座上一ビルディング
TEL:03-5579-9952
営:10:30~20:00(ショッピングフロア)
休:なし
http://www.tau-hiroshima.jp/
●著者プロフィール
取材・文/今西絢美
編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好き。