長野県白馬村といえば、冬はスキーやスノボ、夏には山登りやトレランなどが楽しめる山岳リゾートエリア。小さい村とはいえ、カフェ、レストラン、バーなども点在していて、コロナ以前は、日本人はもとより外国人観光客もたくさん訪れていました。
新型コロナが蔓延したことにより、最近はやや静かな雰囲気を取り戻していた白馬村でしたが、昨年12月末、大きなひさしが目立つ高さ7.5mもある建築物が登場して話題になりました。

店名は『SANFERMO PIZZA ET BBQ(サンフェルモ ピッツァ エト バーベキュー)』。その名のとおり、焼きたてピザ、お肉と長野県産の野菜とを使ったBBQが看板メニュー。実はこの店を手掛けるのは、黒毛和牛の精肉卸で有名なヤザワミート。
当然、味には並々ならぬこだわりが光っており、オープン1か月もしないのに、地元の人や観光客に「美味しい」と大評判。そこで新年早々、東京から白馬村まで小旅行を決行してきました。現地で美味しすぎる料理の数々をいただいてきたので、その魅力をご紹介したいと思います。
料理ひと品ごとに光る個性。その美味しさに唸る!

店内はU字のカウンター席となっており、気軽に立ち寄れるバルのような雰囲気。さっそく前菜からいただいてみました。

前菜は、生ハム、サラミ、モルタデッラ(ボローニャ産ソーセージ)と地元長野県産の野菜(カブやアーティチョーク、ミニトマト)のマリネ。噛めば噛むほどに旨みあふれるシャルキュトリーに、味わい深い地元の野菜。

続いて登場したのは「白インゲンのミネストローネ」。ミネストローネというとスープをイメージする人も多いと思いますが、こちらのものは、野菜の煮込みのようにとろりと濃厚。ひと口食べると、ほっくりしたさまざまな野菜の旨みが層になって口内にあふれ、自然のエキスがカラダにじわっと沁み込んでいくよう。うーん、温まるうえに滋味深さに癒やされます。
そしてBBQと並ぶ看板メニューの1つ、ピッツァが供されました。

こちらでは、「もちもちピザ」と「パリパリピザ」という2種類の生地から好きなほうを選ぶことができます。
今回いただいたのはモチモチ食感の「トマト・モッツァレラ・バジル」。いわゆる丸いピザではなく、ローマ風の楕円形をしています。530℃の高温オーブンで焼いたピザは、フチがふっくらモッチモチ。芳ばしい香りが充満しています。

そしてメインは自慢の肉料理。前述の通り、ここはヤザワミートの直営店なので、肉の目利きが選び抜いた至極の黒毛和牛が味わえるのです。
訪問時に用意されていたのは、「田村牛の炭火焼きとシェフ特製のサルシッチャ」。田村牛といえば、但馬牛をルーツに持ち、数々の賞を受賞しているヴィンテージ・ビーフ。赤身に繊細に入るサシが、見るからに食欲をソソります。噛むとふんわりやわらかく、肉の旨みがジュワジュワと口いっぱいに広がりました。炭火の炙り加減も最高! 黒毛和牛の奥深さに思わずうっとりしてしまいます。

さらにシェフ特製のサルシッチャを食べて、完全に参りました。サルシッチャはイタリア語で腸詰めのことですが、こちらのは肉団子のようなビジュアル。
この肉2連発は、美味しいというレベルを超えて「今日、生きていて良かった」と思うほど感動的。肉とピザ、そして外の雪景色。じつに幻想的な時間です。

というわけで、『SANFERMO PIZZA ET BBQ』の料理、文字だけではなかなかお伝えしづらいのですが、控えめに言って最高でした。しかも白馬村の澄んだ空気、のどかな雰囲気も加わって、なんとも贅沢な時間が過ごせました。みなさんもぜひ白馬村に遊びに行って、このお店を体験してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:『SANFERMO PIZZA ET BBQ』(サンフェルモ ピッツァ エト バーベキュー)
住:長野県北安雲郡白馬村北城827-100
営:10:00~15:00(14:00LO)、17:00~21:00(20:00LO)
TEL:0261-85-4201
休:水曜
https://beatus.co.jp/sanfermo/