ボートレースの安くて旨いグルメを紹介するこの企画、首都圏が終わり関西エリアに移りました。今回紹介するのは兵庫県・尼崎市にある『ボートレース尼崎』です。

こちらの水面は、ボートレースの競技用のために作られたプール。静水面でインが強く、初心者でも楽しみやすいレース場です。最近、大規模なリニューアル工事が終了して、とってもキレイに。2020年に飲食店や有料席が、2021年に正門、イベントステージ、エキサイティングゾーン、西門がリニューアル。今年4月には、ボートキッズパークの「モーヴィあまがさき」と芝生広場がオープンするなど、館内の隅々に至るまでピカピカ。これはデートに使っても、女子目線でも楽しめそうです。

ちなみに2020年に改装された有料席は、さまざまなタイプのシートがあります。エリアは、カジュアル、プレミアム、ラグジュアリーの3つのシートと、プライベートルーム、グループシートエリアと多彩。水を象徴する青をメインカラーとして、オシャレな雰囲気。週末になると満席になるほどの人気ぶり。
点在していた飲食店がフードコートに集結! 便利になった尼崎グルメ

『ボートレース尼崎』では、1階に8店、3階に2店、合計10店舗の飲食店が営業しています。2020年の改装で、これまで各所に点在していた飲食店がフードコートに集結し、利用しやすくなりました。
たこ焼きならぬ「多幸焼」は必食!

それではトップバッターは、尼崎のソウルフードとして長らく愛されている「多幸焼」です。昭和27年の『ボートレース尼崎』のオープンとともに開店した老舗。6個で100円という価格は衝撃的。多い日で1日3000個以上焼くというから驚きです。

この「多幸焼」、見た目はたこ焼きですが、中に入っているのはタコではなくコンニャクなんです。カリカリの表面に中はトロッ、桜エビがふんわり香る生地がなんとも美味しい! 「多幸焼という名前には、『多くなる幸せ』という想いが込められているんです」と語る店長さん。この旨さで100円とは。その名の通り、頬張るたびに幸せを感じられる逸品です。
『丸久』の「焼きそば」と「お好み焼き」

続いては最も賑わっている食堂の『丸久』へ。店頭ではお好み焼きと焼きそばが焼かれ、威勢の良い呼び声が響きます。鉄板の横にはイートインスペースがあって、棚には煮物や天ぷらなどのおかずがずらり。好きなものを取るセルフ式です。

天かす、キャベツに豚肉と、5種類のソースをブレンドした焼きそばはイチオシメニュー。オーダーすると再度焼きを入れて、アツアツで提供してくれます。

お次はお好み焼きです。一口食べるとフワッフワの生地にびっくり。なんて口当たりの良いお好み焼きなんだ! その美味しさの秘訣をスタッフさんに聞いてみると、「粉は2種類をブレンドして山芋などを加えたオリジナル。ソースも手作りしてるんですよ」とのこと。これが300円で食べられるなんて。恐るべし尼崎グルメ!
『のぞみ食堂』の「カツ丼」

フードコート3軒目は、トンカツの『のぞみ食堂』。こちらでは5kgの豚の塊肉を仕入れ、手切りしたのち、オーダー後に揚げてアツアツを提供してくれます。
「カツ丼」は、揚げたてのカツをカツオだしと卵とグツグツ煮ること1分。豚肉は一人前100g、厚さは手切りだからか、かなり厚めでボリュームがあります。

フードコートはほかにも、楽しい店舗が多数。うどん&そばの『まるちゃんうどん』では、かやくごはんのセットが人気。そして屋台一筋40年、尼崎で有名な屋台ラーメンの『阪神軒』も。ほかには『カレー屋さん』、コンビニの『ヤマザキYショップ』も入るなど、磐石の布陣です。
唯一のレストラン『水明』でゆっくり食事もOK

最後にご紹介するのは、1階のレストラン『水明』です。ここでは、麺類や定食など豊富なメニューが揃います。こちらの一番人気は、「ホルモン焼き」(400円)と「ホルモン焼きそば」(600円)。そして店のイチオシメニューの「肉吸い定食」です。

肉吸いとは、関西で人気の肉のお吸い物のこと。関西芸人御用達の『千とせ』が発祥と言われ、舞台の合間にサッと食べられるように、肉うどんからうどんを抜いて提供して有名になった料理です。こちらでは昆布とカツオで出汁をとり、自家製のかえし醤油で味付け。

リニューアルしてかなりキレイになった『ボートレース尼崎』。第一ターンマークの攻防を上から見るために作られた新設のエキサイティングゾーンも完成し、さらに楽しく観戦できるようになりました。ボートキッズパークの「モーヴィあまがさき」も週末は定員に達し大盛況。レースをする人もしない人も楽しめるアミューズメントパーク、近くに行ったら安旨グルメをぜひ!
●DATA

ボートレース尼崎
住:兵庫県尼崎市水明町199-1
TEL:06-6419-3181
営:レース開催日 ※スケジュールはH Pにて確認してください
https://www.boatrace-amagasaki.jp
休:レース開催以外休業
●著者プロフィール
矢巻美穂(やまき・みほ)
内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国などのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。ボートレースのグルメ情報も絶賛公開中!