高橋英樹さん(Part 1)
1944年、千葉県木更津市出身。1962年に『激流に生きる男』で主演デビューを果たした後、『鞍馬天狗』『旗本退屈男』『桃太郎侍』『遠山の金さん』など、日本の時代劇の代表格として映画・TVドラマで活躍するほか、バラエティやラジオにも出演しています。

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JK:まぁまぁ、大物俳優さんがいらっしゃいました! お久しぶりでございます、隅田川の花火以来ですね。毎年花火の時に私の浴衣を着てくださって。迫力があってお似合いなんですよ、本当に粋だから。

高橋:そうですね、墨田川のMCをやっていつの間にか29年ですか。花火が大好きなんですよね。それと花火師さんたちの意気込みみたいなのを感じますね、最近。

JK:やっぱり一発勝負だから。すごい緊張感もあるし、どんどん高度になってきて、今はもう映画とかドラマみたいでしょ。すごい大舞台ですよ! あんな大きな空に大舞台。

高橋:ここのところ急に雨が降って中止になったりとか多かったので・・・私たちのときも1回ありました。第2会場は7時半から打ち上がるんですけど、7時半に雨と風で中止になりまして、9時まで放送があるんですよ。花火の上がらない花火放送を9時までやったんですけど。

JK:やったんですか?!

高橋:やったんです。もう土砂降りの雨で、カンペが全部流れて、字も全く読めなくて(^^;)「すいません、適当にお願いします」って言われて、1時間半適当にやりました(笑) 昔の花火の映像を出したりとか。でもその時は最高視聴率だったって(笑)

JK:アドリブが効く! 皆さんTVでテレビで見てますからね。

高橋:その時ゲストに樹木希林さんが来ていらして、樹木さんのおかげで助かりましたね~! もう自由奔放の方で、写真撮ったりなんだり。

出水:高橋さんは立ち姿も美しくて、体のためにトレーニングなどしているんですか?

高橋:インナーマッスルは週に1回、トレーナーに来ていただいてやってます。50代後半ぐらいに腰痛で苦しみましてね、腰が痛くて寝ても起きてもダメっていう時期があったんです。いろんなお医者様に診ていただいたんですけどなかなか治らなくて・・・最後に診ていただいたお医者様が「いろいろ調べたんだけど、腰全然おかしくないです。精神的なものじゃないですか」って言うんですよ。80%ぐらいはほとんど精神的なものだと先生に教わりました。

JK:そういうものなんですか?

高橋:トゲが刺さるみたいに骨が神経に刺さってる人でも、痛くない人は痛くないって言う。全く正常でも痛くて動けないっていう人はたくさんいる。「高橋さん、痛いと思ったらそれは錯覚だと思ってください」と。

「ただし、年齢とともに骨がだんだんくっついてきてるので、インナーマッスルで鍛えて筋肉をつけてください」って言われたんでやりだしまして、14ヶ月ぐらい経ったら痛みがなくなりました。今は全くないです。

出水:へぇ~~!!

高橋:だから精神的なものかなぁと。新幹線で京都行くとき、椅子に座ると痛いんで、京都までずっと通路に立ってた時期がありました。その時期はチャンバラがきつくて、今まで殺しすぎたからかなぁ~と反省はしたんですけど(笑)もちろん演技でですけど、いろんな人たちを斬りまくったんで、そういう方たちの思いがこもっちゃったかなと(^^;)

JK:チャンバラといえば刀の振りはかっこいいですね。右左とか波長を合わせるんですか?

高橋:あれは諸先輩方がやってこられたものをどう自分の中に取り入れて、しかも新しい形でお見せできるかっていうのを考えなきゃいけない。要するに舞踊と一緒で「手」が決まっておりまして、Aというパターンはこう、Bというパターンはこうっていうのが決まってて、それの組み合わせなんですよ。ですから私は立ち回りの殺陣師が手をつけるのは1回で覚えます。

JK:ちょっと間違って本当に当てちゃったりは?

高橋:いやいや、当てたりは一切しません。けがもさせません! 「私が3回呼吸をしたらかかってきて」みたいな感じなんですよね。そういうのを相手も分かってますので、私の呼吸を見ながらかかってくる。絶対的にお互いに怪我をさせない。

JK:ちょっと素人だったら、相手がベテランじゃないと決まらない?

高橋:チャンバラをやったことない人が来ると、逆に私が斬られます(笑) 当たると手なんか腫れ上がりますね。尖ってますからカーン!と来るんですよ。樫の木でできてますので。

出水:それこそ相手方も、高橋英樹さんに当てちゃったら顔面創悪じゃないですか? 「すいません!」って。

高橋:当てたということよりも、まわりが皆さんベテランですから当てたりしないのに、自分だけ当てたということにどうもショックを受けるみたいです。だからこの人はあまりできない人だな、っていうときほど緊張が高まります。我々がカラミって言ってる東映の剣会の連中とやるときは全然緊張しない。お互い、あうんの呼吸でできるんですよ。

出水:NHKラジオ深夜便「ミッドナイトトーク」では初のラジオDJを担当しています。2ヶ月に1度の生放送はいかがでしょう?

高橋:ラジオはちょっと緊張しましたね、やったことがないので。ラジオドラマはやったことがあるんです、昔。61~62年くらい前に吉永さゆりさんとラジオドラマをやったんですね。

映像よりも音だけで聞かせる方が非常に難しい! 逆にそれがすごい勉強になった記憶があったので、お話があった時に面白いかもしれないと思ってお受けしたんですけど・・・緊張しますね。言っちゃいけないこととかいろいろあるじゃないですか。

JK:生だったらちょっと大変! 言ったもん勝ちかもしれないけど(^^;)ノッてくるとついついね。

高橋:でも楽しかったですね。表現することの良さっていうか、声だけで皆様にお伝えするということの難しさが演技の勉強にもなるし、いろんなところで役に立ちますね。

JK:それこそ奥様は聞いてらしたんでしょうか?

高橋:はい、もちろん聞いてました。ラジオ買ってましたよ(^^)

JK:私もこの番組出て初めてラジオ買いました! でもお2人ともお元気で。

高橋:そうですね、元気で2人こうやって来れたということが幸せですね、本当に。やっぱり食が一番かなと思うんですよね。健康の源かなと思うので、朝からちゃんと食べる。それも野菜を多くする。やたらめったら野菜食べます! どさっと!

JK:だから声も通るんですね。

高橋:野菜を食べるようになったら野菜の美味しさに目覚めて、あまりドレッシングとかかけずに、美味しさを噛み締めながら食べる。30㎝くらいのお皿にいっぱいです!

JK:10人分くらいのお皿だ!

出水:お嬢さんの真麻さんもたくさん召し上がることで有名ですけど、英樹さんも?

高橋:私も昔からよく食べまして。私に似たのかな?

出水:それから英樹さんと言えば、お城好き!

高橋:お城は大好きです! やっぱり仕事上かもしれませんね。最初に時代劇の役をいただいた時から歴史をまずは勉強しないといけないことになって、お役の人物を研究する。私は結構偉い人の役が多くてですね、大名とか武将とかの役が多いんですよ。

JK:権力者ですね(^^)

高橋:その人物がどういう城を作ったのか、どういう町づくりをしたのかというのを知りたくて、その人の生きたところを役作りで勉強しに行くんですよ。熊本へ行って熊本歩きをする。織田信長をやった時は名古屋へ行って名古屋歩きをする。そういうふうに自分で行って、城巡りをしたりしているうちに・・・

JK:私は岸和田なんで、岸和田城というお城があります。

高橋:岸和田城! いいお城ですね~あれは! すっごいいいお城ですよね! あそこは大阪城を守るために作られた城なんですよね。信じられないぐらい立派な城です。

JK:嬉しい~! そこの目の前の高校が私の高校です。

周りの池も石が綺麗に残っています。

高橋:今まで時代劇で80役以上いただいているんですが、台本を調べたら2000冊ぐらいありました。

JK:うわあ、2000冊も!! 台本の部屋が必要ですね。

高橋:地下に全冊残してあるんですけど、全部覚えてます。そういう役をいただいた時に、どういう人物なのかお城を見る。お城を見ると、武将の好みって言いますか、この人は攻撃的だとか逆に守りがすごいとかわかるんですよ! 面白いですよ~!

JK:お城でご本出されたらいいじゃないですか? どこのお城が一番立派ですか?

高橋:立派なのは姫路ですね! 残ってる城としては姫路城はやっぱり一番だと思いますけど、城好きの面から姫路城って言うと、野球でいうヤンキーズみたいな王道になりすぎるんで、私は彦根城を応援しております(^^)彦根の観光大使もしておりますし、お世話にもなってるんです。彦根城って国宝なのに、いくらでもチャンバラさせてくれるんですよ!

JK:あそこでロケできるんですか!

高橋:ロケ多いんですよ! 私はやたらめったらあそこで斬ってます(^^)

JK:彦根に1つの銅像建てたらどうですか?(笑)

高橋:お城はどこ行っても好きなんですけど。ことに石垣が好きなんですよ。1つ1つ防御のために積み上げて・・・もう10年20年かけて作ったわけじゃなく、数年で作るわけですよね。

JK:私もいつも東京駅行くとき、石垣が綺麗だなって。

高橋:江戸城もいいですよ、石垣。江戸城の石垣は各武将が「ここからここまでお前ね」って言ってやらされてるんで、石垣の種類が全部違うんです。だから面白い! 加賀藩が作ったところとか、違う藩が作ったところで微妙に違う。石の種類も違う。だから石垣見てるだけで1日かかります。

TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)

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