きのう午後11時すぎ、青森県八戸市で震度6強を観測する地震がありました。

防災士による地震の備え

きょうは「防災士」の資格を持っている気象予報士の長谷部 愛さんにお話を伺います。

気象予報士・防災士 長谷部 愛さん

今回の青森に限らず、「寒い時期」の災害対応で注意することは、

とにかく「寒さへの備え」です。避難生活の中で、寒さで体調を崩し、亡くなる方も多くなっています。

実際に2016年の熊本地震の時は、「直接死」より、避難した後の「関連死」の方が多くありました。

備えのポイントですが、日頃から「アルミシート」を用意しておくと良いです。

「エマージェンシーシート」とも呼ばれますが、熱が逃げずに暖かい構造となっています。

そして、もうひとつ注意して欲しいのは「水分補給」。

避難所生活では、トイレの数が少なかったり、並んでいるため、「トイレに行きたくても行けない」場合があります。また、衛生面から「トイレに行きたくない」人も。我慢することは体調の悪化につながりますし、トイレに行きたくないために、水分を取らない人もいます。

今回、現地は寒いので水分を取らなくても大丈夫と思いきや、これが危険。「水をがまんする」「トイレをがまんする」ことが引き金になって、体調悪化、持病の悪化などに繋がります。

そのほか、防災士としてよく言うのは「壊れた家の写真を撮っておくこと」

片付けたあとの写真だと等級が下がるなど、保険に影響するため、なるべく現状のまま撮影しておくと良いでしょう。

さらに、食べる、飲むことが減るので口の衛生面にも注意が必要です。

誤嚥性肺炎のリスクを高めてしまう可能性もあるので、口腔ケアはしっかり行いましょう。

また、避難所ではなく車で寝泊まりする人も多くいらっしゃいますが、狭いところで座りっぱなしの場合「エコノミークラス症候群」に注意が必要です。足の血流が悪くなり「血栓」ができ、その血栓が肺の血管に詰まって呼吸困難や胸の痛み、場合によっては命に関わることもあります。

引き続き、最新情報に気をつけながら、早め早めの備えを行いましょう。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:森本茉菜)

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