ゲストは、株式会社Decentier(ディセンティア)代表取締役の小畑翔悟(こばた しょうご)さん。Decentierは、最新のウェブ技術「ブロックチェーン」を活用して、飲食店などさまざまな“ブランド”がお客さんにデジタル会員権を発行できるサービス「SLAPS(スラップス)」を提供しています。

“常連さん”とお店との接点を増やし、よりよい関係をつくりだす。その取り組みについてうかがいます。

保険会社での苦労を、ウェブ技術で解決したい

西田 Decentierはいつ創業したんでしょうか?

小畑 2023年2月に創業しました。もう少しで丸3年になりますね。

西田 それ以前は、いろいろな会社でお仕事をされていたそうですね。

小畑 新卒では東京海上日動火災保険に入社し、約10年間、貿易の保険に携わっていました。

西田 その頃からウェブ技術に関わる仕事をしていたんですか?

小畑 ほぼしていなかったので、いまの業界はまったくの異業種への挑戦でした。

西田 思い切った転身ですね。きっかけは何だったんでしょう。

小畑 貿易保険の実務で経験した煩雑な手続きを、ウェブ技術で解決できると思ったんです。

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西田 輸出入には、ものすごい量の書類が必要だとよく聞きます。

小畑 おっしゃるとおりです。たとえばコーヒー豆の輸入には、請求書から積荷や検疫の証明書まで、10種類以上の書類が必要なんですよ。

西田 作成や確認がとんでもなく大変そうですね。

小畑 ブラジル(Brazil)の「R」が「L」になっている、といった小さな間違いでも、正式な書類として認められないんです。修正には、いまだにファックスを使っていました。

西田 たった一文字でそんなにも手間がかかるんですね。

小畑 赤いペンで訂正を繰り返すので、だんだん文字が潰れて見えなくなっていきます(笑)。書類が完成した後の国際送金も含めて、ずっと煩雑な作業が続いていました。

西田 その経験から、ブロックチェーンに可能性を感じたんですね。

“常連さん”になれるデジタル会員権

西田 改めて、「ブロックチェーン」とはどんな技術なのでしょうか?

小畑 ひとことで言えば、それまでできなかった「インターネット上で価値を送ること」を可能にした技術です。

西田 「価値」というのは、たとえばお金の送金などですか?

小畑 そのとおりです。オンラインバンキングやPayPayなどで振り込みや決済はできますが、基本的には同じシステムの利用者同士しかやり取りができないんですよ。

かっこいいお店の“常連さん”になれる。ブロックチェーン発の会員権サービス

西田 システムの違いを超えて価値をやり取りできる。それが、ブロックチェーンなんですね。その技術を使って、具体的にはどんなことをしているんでしょうか?

小畑 ひとつは、デジタル技術を活用した新規事業の創造をお手伝いするコンサルティング事業です。

そしてもうひとつが、飲食店を中心にさまざまな“ブランド”がお客さんにデジタル会員権を発行できるサービス「SLAPS(スラップス)」も提供しています。

かっこいいお店の“常連さん”になれる。ブロックチェーン発の会員権サービス

<SLAPSホームページより引用>

西田 “飲食店の会員権”というのは、気になりますね。

小畑 飲食店は料理だけでなく、居心地のよさや空気感といった“体験”の価値が重要だと思うんです。

西田 いまの時代、「料理がおいしいのは当たり前」とも言われますよね。

小畑 だからこそ、お店にとっては、自分たちの雰囲気や体験に共感してくれるお客さんと、いかに出会うかが大事です。SLAPSでは、会員限定の体験を通じて、そうした関係づくりをサポートしています。

西田 いわば、“常連さん”になれるメンバーシップですね。会員になると、どんな体験ができるんですか?

小畑 お店によってさまざまです。たとえば、会員限定の個室を利用できたり、特別なメニューを楽しめたりします。

西田 常連だけの特別な体験ですね。

小畑 最近では、鳥羽周作さんがオーナーシェフを務めるレストラン「sio」でもSLAPSを導入いただいています。ウェルカムギフトや専属コンシェルジュによるチャット対応が、会員限定で提供されるんです。

アプリ内で受け取ったチケットを友人に渡すこともできるので、お店の紹介も簡単にできますよ。

西田 「行きつけのお店がおいしいから行ってみて」と、気軽に勧められるわけですね

小畑 誰からの紹介で来店したのか、という情報は、飲食店にとって非常に有益です。電話や予約サイトだけでは、なかなかわからない部分なので。

西田 お客さんにもお店にも、しっかりメリットがある。

小畑 会員のお客さんに「あなたは常連さんです」とはっきり伝えられることで、これまで以上に来店してもらうことを狙っています。

“かっこいい”ブランドとお客さんのいい関係をつくる

西田 SLAPSを導入しているお店からは、どんな感想を聞きますか?

小畑 「こんなサービスが前からほしかった」という声を多くいただきます。食事の時間以外にも、お客さんとつながれる点が評価されています。

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西田 お店とお客さんの“接点”を増やすことができるサービスなんですね。SLAPSの今後の展望は、どのように思い描いていますか?。

小畑 「SLAPS」という名前は、「超いい」「かっこいい」という意味を持つ英語のスラングが由来です。その名のとおり、“かっこいい”ブランドがSLAPSを通じて、お客さんとより良い関係を築いていく。その積み重ねの先に、わたしたちのビジネスの成長もあると思います。

西田 SLAPSとDecentierのさらなる進化を、応援しています!

かっこいいお店の“常連さん”になれる。ブロックチェーン発の会員権サービス

(TBSラジオ『見事なお仕事』より抜粋)

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