3月5日は「3」と「5」でサンゴの日って知っていましたか?
今週~来週にかけて「サンゴ礁ウィーク」ということで、各地でサンゴに関するイベントが行われています。

サンゴというと、海が身近にない人やダイビングをする人以外には、少し遠い存在・・・かもしれません。


ただ、サンゴって意外と私たちの身近な場所で活躍しているようなんです。今日はそんなサンゴの話題。

日本のサンゴ、最近はどうなの?

まずは、日本のサンゴの現状について。
サンゴの保全プロジェクトで20周年を迎えた、池袋のサンシャイン水族館 飼育スタッフ・靏見綾さんに伺いました。

サンシャイン水族館 飼育スタッフ 靏見 綾さん

能登島の地震があったりしたと思うんですけど、地震の影響で、海の中も揺れますので、土が被ってしまったりとか、そもそもサンゴが崩れてしまったりとか、いろんな影響があったようです。
なので温暖化だったりとかだけではないサンゴが減っているというところも、良くなっているとはなかなか言いにくい部分もあるのかなというのと、伊豆の方とかでも見られる種類が増えてきたというのもあるんですけど、サンゴが暮らせる範囲が広がっているというのは、海水温が上がってきているという証拠でもあるので、確実に海は変わってきているなっていうのは、ここ数年で感じているところです。

サンゴが北上してるんです。
これによって関東近郊でもサンゴが生息域を広げていますが、生態系や漁業への影響も・・・。関東地方ではサンゴが漁の網に引っかかって、逆に困っているという話もあったりするようです。

サンゴ礁ウィーク!サンゴは意外と身近に。の画像はこちら >>
サンゴへの影響:サンシャイン水族館 提供

サンゴって喧嘩するんです!

さらにサンゴを巡る動きには少し変わったサンゴならではの特徴もあるようです。
何かというと・・・それは「サンゴたちの戦い」!どういったことなのか、再び靏見さんに伺いました。

サンシャイン水族館 飼育スタッフ 靏見 綾さん

サンゴは自分で歩いてあっち行こうとか、隣に新しいサンゴが来たから自分で快適な場所に行こうというのができないので、生きていくために触手を伸ばして相手を攻撃して溶かしちゃったりするんですけど、そこが私の中では知ったときに面白いと思って。
サンゴたちは必死なんですけど、 あ、喧嘩するんだって。 動けないサンゴが生きていくために、自分が成長する場所を確保するために・・・面白いなとすごく思いましたね。

サンゴって派手な動きがないし、生きてるの?って思う事もあったんですが、こんな意外な武闘家な一面もあるようで、なんだかイメージが変わりました!

サンゴ礁ウィーク!サンゴは意外と身近に。
サンゴ礁ウィーク!サンゴは意外と身近に。
沖縄県恩納村とともにサンゴを保全する取り組みを行うサンシャイン水族館

【サンシャイン水族館「サンゴプロジェクト」を開催中】

そんなサンゴを守る取組みとしては、私たち個人でも参加できる「サンゴの里親制度」というものがあります。
一株数千円からの寄付で「自分のネームプレートがついたサンゴ」を植え付けてもらったり、成長の様子を写真で報告してくれたり・・・。
最近では、子供の誕生記念や結婚祝いに「海の植樹」のような感覚で里親になる個人の方もいるようです。マイサンゴを持つと、愛着も沸くでしょうし、「海を知る」きっかけになるかもしれません。

環境ビジネスのヒントにも。

サンゴを守る取組みについては、個人だけでなく企業からも注目が集まっています。

独自の「環境移送技術®」を使って、陸地で水域環境の研究を行い「環境」×「ビジネス」のサポートしている、株式会社イノカCAOの増田直記さんのお話です。

サンゴ礁ウィーク!サンゴは意外と身近に。
株式会社イノカのサンゴ飼育水槽

※「環境移送技術®」は、海をはじめとした水域の自然環境を、水槽を用いて陸地で再現する独自の技術コンセプト

株式会社イノカ CAO 増田直記さん

特にサンゴが注目を浴びている一つの理由は、サンゴ礁自体って海洋面積でいうとすごいちっちゃいエリアなんですよ。全体の0.2%くらいなんですけど、海洋生物全体の約25%くらいがサンゴ礁に関与していると言われてまして、サンゴ礁を守ったときのインパクトがすごい大きいんですよ。
サンゴに対してどういう影響があるかっていうのを検証することで、それだけのインパクトを見込めるということになってくるので、今、自然資本みたいなことがすごく社会的にも注目を浴びていると思うんですけども、それが人も自然もどちらも利益があるというか、反映できる状態というのが一番ベストだと思っています。

サンゴが自然環境の指標の一つになるわけです。

化粧品会社でいうと「日焼け止め」。


サンゴに悪影響だからと使用を制限している海もありますが、例えばサンゴに無害・逆に使えば使うほどサンゴにやさしい日焼け止めだったら・・・制限エリアではすごく売れるかもしれませんよね?

こういった「環境」×「ビジネス」の面で企業からも注目されているんです。

サンゴが骨を作る!?

さらに、サンゴは海だけじゃありません。実は今、医療の現場でサンゴの活躍が期待されています。
詳しいお話を、大阪歯科大学の岡村友玄先生に伺いました。 

学校法人大阪歯科大学歯学部 口腔病理学講座 講師 岡村友玄さん

サンゴの骨を使って人間の体で失われた骨を再生する研究をしております。
サンゴの骨というのは「炭酸カルシウム」という化合物なんですけれども、人間の体が溶かす
ことができる。炭酸ガスとカルシウムに分かれるんですけど、炭酸ガスは人間が呼吸している
かのように体の外に出ていくんですけど。カルシウムはいろんなところに使われていて、例えば骨、骨を再生する時に出てくる組織。こういったところに使われていて、体の中が元気になるんですよ。
例えば、歯科領域であったりとか、例えば整形外科領域であったりとかですね。いろんな症例報告がされていて、安全性については非常に高いというものですね。

岡村先生は歯の治療でサンゴの研究開発をされていて、歯周病・親知らずなどで骨が無くなってしまった部分の再生に活かせると言います。

骨がないとインプラントも装着できないですから・・・。

サンゴ礁ウィーク!サンゴは意外と身近に。

※骨が失われた部分にサンゴの補填材を入れ、骨が再生されている様子

驚くべきが、骨が失われた部分にサンゴの補填材を入れてなんと2か月ほどで再生が確認されているんです!
また、最終的には骨と同化するため、あとでネジを外したりする必要もないので患者負担も減ります。

世界ではすでに実用化されていますが、なぜ日本では実用化されていないのか?
理由は様々ですが、これまではこのような理由がありました。

〇環境保全への対応が可能なサンゴがなかった
〇日本は技術立国なので人工骨が製造できた。
〇医薬品医療機器総合機構の薬事申請が難関!

今は陸上の養殖サンゴなどの取り組みが広がったこともあり、実用化に近づいているという事でした。
サンゴが骨の再生に。海だけじゃない、意外と身近な場所にサンゴの存在があるようでした。


(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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