TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」月~金曜日 朝6時20分頃~放送中です。

女優の檀れいが毎回、その日にまつわる話題や風物詩などを交えてお届けする「檀れい 今日の1ページ」

1982年に公開された映画『蒲田行進曲』
原作は、つかこうへいさんの舞台と小説、監督は、深作欣二さん。

撮影所を舞台にした、俳優たちとその妻の物語です。

舞台は、5年に一度の大作「新撰組」を制作している撮影所。クライマックである「池田屋」のシーンで、注目を浴びたい土方歳三役の「銀ちゃん」ですが、土方に斬られて大階段を落ちるという危険なスタントを誰かが引き受けてくれなければ、その撮影はできません。この危険な役を引き受けたのが、銀ちゃんを尊敬する大部屋俳優ヤス。銀ちゃんのため、そして、もうすぐ子どもが生まれる妻のため危険な演技に挑みます。

この映画では、風間杜夫さんが、スター俳優「銀ちゃん」を、平田満さんが、銀ちゃんを慕う大部屋俳優「ヤス」を松坂慶子さんが、ヤスの妻「小夏」を演じ、このキャストが歌った挿入歌も大ヒットしました。キネマの街・蒲田を歌った昭和の香り漂う行進曲です。

しかし、この曲はこの作品のオリジナルではありません。昭和4年に映画「親父とその子」の主題歌として発表されこのときもヒットしていたそうです。

そして、これがオリジナルかと思いきや、違いました。作詞作曲、そして訳詞を手掛けていた堀内敬三さんが、もともとあった曲に詩をつけたものだったそうです。それはアメリカで上演されていたオペレッタ『The Vagabond King』の中の1曲。

このオペレッタは、15世紀のパリを舞台にした作品で、この作品は映画化もされています。別の作品で、繰り返し使われ、そのたびにヒットしているこの曲、それだけ魅力があるということかもしれませんね。

また、この曲は、かつて蒲田にあった松竹キネマ蒲田撮影所の【所歌】でした。撮影所が使われていた16年間のあいだにおよそ1200本の映画が撮影されたといいます。

◆3月25日放送分より 番組名:「檀れい 今日の1ページ」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190325062000

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