TBSラジオ「ACTION」月~金曜日の15時30分から生放送。月曜パーソナリティは宮藤官九郎さん。

12月2日(月)のゲストコーナーは「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど…」。今回は助監督のキシダさん(32歳・歴9年・サード担当)、ミヤタさん(30歳・歴20年・セカンド担当)、シオザキさん(42歳・歴22年・チーフ担当)に仕事の愚痴を聞いていきます!

キシダ:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、若いころは担当部署の人に殴られたりとかしました。

宮藤:いやサラッと言ってるけど、声変えなきゃいけないやつじゃん(笑)誰に殴られるんですか?

キシダ:美術部さんや大道具さんなどのサードが担当する人たちによくどつかれたり。カチンコを打とうとすると「邪魔だから」と蹴られたりね。

幸坂:それは何か失敗してされるんですか?

監督や役者、スタッフの板挟み…映画の「助監督」の愚痴の画像はこちら >>

シオザキ:これって要は、狭い撮影現場で照明はここから当てたい、音はこっちから録りたいというときにカチンコがここにあると邪魔って意味ですね。

宮藤:それってサード?フォース?

シオザキ:一番下の助監督ですね。

宮藤:よくビックリするぐらい音を鳴らす人もいますよね。

シオザキ:あれは怒られます。役者さんにも直接怒られますが、録音部さんによく怒られますね。「お前、ヘッドフォンしてみろ」と言われて、カチンコ鳴らされて「お前、キーンとなっただろ?」と言われて。「すみません…」って言って(笑)

宮藤:美術部とか危ないものいっぱい持ってますよね、なぐり(ハンマー)とか。

監督や役者、スタッフの板挟み…映画の「助監督」の愚痴

キシダ:なぐりでもやられますよ。
スネとか。

宮藤・幸坂:痛い~!!

キシダ:え!?ないですか?

ミヤタ・シオザキ:ないない!(笑)

ミヤタ:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、監督と役者の喧嘩の仲裁はすごく大変です。

宮藤:監督と役者が喧嘩するの?

監督や役者、スタッフの板挟み…映画の「助監督」の愚痴

ミヤタ:正直仲裁まではしないんですが、ニコニコして見てます(笑)

宮藤:どういう喧嘩なんですか?

シオザキ:あれでしょ、監督の演出に対してでしょ?

ミヤタ:そう、それに役者が納得いかなくてそのまま平行線みたいな。大体折り合いがつく場合が多いですが。

宮藤:解釈が違うみたいなね。これ、言ってくるのは主演ですよね?

ミヤタ:まぁ、そうですね。

宮藤:そのとき、監督はどうするんですか?

ミヤタ:主演も監督も大人なので折衷案を最初は探るんですけど、クランクインから2週間で探る手立てがなくなったら公式の喧嘩です(笑)

宮藤:現場来てから険悪みたいな?(笑)

監督や役者、スタッフの板挟み…映画の「助監督」の愚痴

ミヤタ:朝一番の「おはようございます」から目にシワが寄っていることにはなってます(笑)

シオザキ:やりたくない感じで来ますからね。良い台詞でも流してる感じでやってるの分かるじゃないですか。「この人、本当はもっと良い芝居できるのに…」と思ったり。

宮藤:たまにあるね、それ。監督と上手くやれてないときなんだ。

シオザキ:多分(笑)

幸坂:完成した作品を見てもそれは感じられますか?

シオザキ:それがね、実は分からないんです。

ミヤタ:「よーい」まで文句を言ってても、「スタート」でちょうどいい顔をされるんです。「あれ、薬切れた?」みたいな(笑)

監督や役者、スタッフの板挟み…映画の「助監督」の愚痴

シオザキ:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、ビジョンのない監督とやると大変です。

幸坂:ビジョンのない監督さんっていらっしゃるんですか?

ミヤタ:よくこんなこと言えますね(笑)

シオザキ:監督が「とりあえず泣いてくれ」って言ってても、役者に「とりあえず泣いてくれ」って言えないじゃないですか。「こういうシーンだから涙が出るんです」って説明できないなら監督じゃないんじゃないかって。

宮藤:シオザキさん、溜まってるね~(笑)

シオザキ:泣いてほしい理由を言ってほしいんですよね。

幸坂:シオザキさんんからはほかに、「”監督がなにもやらなかったので、結局俺が全部やりましたけどね”という作品がいっぱいあります」と聞いていますが…。

ミヤタ:いや、だからよくそんなこと言えますね!

シオザキ:もっと言うと、カット割りをしない監督もいっぱいいるじゃないですか。それは別にいいんですけど、文句だけ言うんですよね。で、役者とも上手くいかないと、僕が直接話すじゃないですか。そうなると、「監督、なにもしてねぇな」みたいな(笑)だけど偉そうじゃないですか。

監督や役者、スタッフの板挟み…映画の「助監督」の愚痴

シオザキ:あと、「ちょっとコーヒー持ってきて」とか。「いやいや、お前、”監督”ってついてるだけじゃねえか」って(笑)

ミヤタ:もう喋ってるときに、具体的な名前が頭に浮かんでますよね(笑)

シオザキ:助監督は別に監督の奴隷じゃないですからね。

宮藤:コーヒーは好意で持ってきてくれる人はいますけど、それが当たり前は違いますよね。

シオザキ:たまたま「助監督がいないんだよね」と頼まれて行って、初めて会う知らない監督とかでそれがありますからね。

全然止まらない助監督による愚痴の数々!でした!

◆12月2日放送分より 番組名:「ACTION」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20191202153000

編集部おすすめ