TBSラジオ「ACTION」月~金曜日の15時30分から生放送。金曜パーソナリティは武田砂鉄さん。
1月3日(金)のGUEST ACTIONは特別編!「山田うどんスペシャル」をお送りします!
ライター・北尾トロさん、コラムニスト・えのきどいちろうさん、山田うどん営業企画部長・江橋丈広さんをお迎えして、武田砂鉄さんと山田うどん愛を語りまくります!
山田うどんの法被を着てはしゃぐスタジオ。「味は普通」ということを、中の人・江橋さんも含めて全員が共有したところで・・・山田うどんに行ったことない幸坂理加さんが、素朴な疑問をぶつけます。
幸坂:味は普通なのに、わざわざ行くんですよね?

えのきど:「ダイナー」って知ってます?アメリカの映画とかで、車でドライブインみたいなところに行って、不良っぽい人とかのドライバーが集まってて、たとえば朝食とかでハムエッグを出したりする店ってイメージできます?アメリカの映画でよく出てくる。ダイナーって、アメリカではどの町にもあるような食堂形態なんだけど、山田うどんの先代が70年代にアメリカに視察に行かれて、「これからの食堂は、ビルの中や駅前にあるのではなくて、駐車場があって、車で来るんだ」と。ロードサイド展開ですよ。「アメリカのダイナーみたいなものは日本でも流行るからやろう!」と一番最初にやった1つが山田うどんで、ダイナーを和のアイテムでやったらうどん屋になったんですよ!
幸坂:う~ん…?
武田:響いてます?(笑)
えのきど:このすごさ、難しいかな?あと先代は、これはケンタッキーフライドチキンだったらしいんですが、回転看板。今でもジョリーパスタとかで回ったりしてますが、ケンタッキーも回転看板だったんですって。それが日本にまだ代理店がないときに、「あの看板、いくらかかってもいいから持って来い!」と言い出して、所沢の本店の横でかかしのマークが回り出したんです。それが山田史を語る上ではね。
武田:非常に重要なポイントになりますね。その回転看板を山田うどんがやめようとしていると…!

武田:山田は今、変革の時期にあるんですよね?
江橋:メニューは変わってきてますね。
武田:それが山田ネイティブの人達がどう思うかですよね。
北尾:難しいんだよね。
武田:あんまり保守を強要してもね。
北尾:元々、山田は革新なんですよ。新しいことをじゃんじゃん取り入れて。日本で初めて看板を回したり。いろんなことをやって、1回は東京にガンガン進出したこともあって。
えのきど:歌舞伎町とかね。僕の近所だと浅草の六区にもあったり。それも撤退して。今はロードサイドだけで。利益率が低いところは撤退して、守りを固めたんですよね。
北尾:社長が代替りして、そこから守備に徹して。

武田:日本で最初に回転看板を出したのが、山田うどんの本店でした。回るかかしのイメージがあると思いますが、最近止まってきていると。どうですか?
江橋:会社の中の人は、あの回転看板に執着がないと言いますか。
北尾:歴史の重さを知らないんだな。
江橋:目立てばいい。
武田:大分目立ってますよ(笑)
江橋:ビビットな黄色の台形看板が付いているんですが、かなり色も鮮やかで、そういったもので目立てばいい。
幸坂:回ることに意味はあるんですか?
北尾:意味はないと思う(笑)風情だよね。
えのきど:最後のぐる~と回って、「止まった!」みたいなのを皆で号泣しながら見るというイベントやりたいよね。
江橋:最後の1個はイベント的にしようと思ってて。埼玉新聞さんからもお話が来てるんですよ。

北尾:そりゃそうでしょう。これは大仕事になるよ(笑)行きますよ。
武田:山田の歴史から考えると、回る看板というのは道路沿いで目立つものだったんだけど、山田うどんができたことによって周りにチェーン店ができて、意外と回るかかしが目立たなくなったということですよね。
江橋:それにメンテも行き届いてなくて、色あせた回転看板もあるので、それだったら変えようということで。一昨年に屋号を「山田うどん」から「山田うどん食堂」に変えたんですよ。
幸坂:メニューも豊富になって、ファミリーレストランみたいですよね。
武田:それによって保守派も首を傾げるという(笑)
えのきど:僕は「山田が微笑み始めた」と呼んでるんですけど、山田はかかしがシンボルマークなんですけど、昭和・平成山田は頑張ってる口の形なんです。それが今の山田はニッコリ微笑む口の形なんです。
幸坂:ウィンクしてるものもありますね。
えのきど:口の形が変りだして、「山田うどん食堂」になったり、「県民酒場ダウドン」になったり、「ラーメン食堂かかし」になったり。そういう感じに、1回守りを固めたと思ったら、そういうそれぞれの武器を全面に出した、山田新時代が訪れていて、守旧派が皆困惑してるんですよね。
北尾:困惑してるよ!
江橋:でも基本は炭水化物のパラダイスは変わらないんですよ。
武田:「カロリーのK点超え」っていうね。

江橋:そこは変わらないので。それはお客さんは知ってるじゃないですか。で、若い女性とかファミリーは山田うどんというとガテン系の行く店というイメージが結構固まっているので。それで「山田うどん食堂」という名前に変えて、かかしも笑顔でお迎えするイメージですね。
北尾:サブタイトル的に、「ファミリー食堂 山田うどん食堂」という屋号になってるじゃないですか。食堂の2段重ねに、山田の溢れんばかりの「うどん屋じゃないよ、食堂だよ!」というのがね。
江橋:そうですね。「山田うどん」という屋号でやってましたけど、結局実態はご飯物も多いし、サイドメニューもあるし、ラーメンもあるので「食堂」なんですよね。
えのきど:北尾トロはあの微笑む山田をどう思ってるの?

北尾:俺は割と好きなんですよ。一時期店の数を絞る我慢の時代があったじゃないですか。その次どう行くのかと思ったら、ニッコリ笑ったり屋号を変えたり。
江橋:ガテンのお客さんプラス、ファミリーを取り込む。足し算の法則ですよね。
北尾:欲張ってるよね!
武田:自分たちが本を作っているときに忘れもしないのが、パスタというのがありましたよね。
北尾:びっくりしたね。
武田:あれは山田好きに動揺が走りましたよね。
江橋:大失敗でした…。
武田:あれから若い女性客とかが欲しくてたまらないわけですよ。パスタが失敗して保守派は「もう無理なんだ」って思ったわけですよ。

北尾:ブレるな!
えのきど:モテたいんだね。
北尾:で、屋号を変えたんだね。でもそのおかげで、メニューの幅はうんと広がったね。黒酢みたいなものを失笑で見れない。メニューに馴染んでる。
江橋:黒酢のやつは、どこぞの定食屋に似せた感じで作ってるんです。
武田:そういうことを言うんだ(笑)あの定食屋を真似てるわけだね。
江橋:その上の「みぞれチキンおふくろ煮定食」というのもね。
武田:どっかで「母さん煮」というのがありますね(笑)
えのきど:良いものは躊躇なくね(笑)

ほかにもたくさん山田うどん愛を語り合いました!
◆1月3日放送分より 番組名:「ACTION」
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