TBSラジオ「コシノジュンコ MASACA」毎週土曜夕方5時から放送中!林家三平さん(Part2)落語家。1970年、東京台東区根岸に落語家の林家三平のもとに生まれます。
出水:三平さんは中央大学経済学部国際経済学科に進学されてますよね。この時は何を目指していたんですか? 林家:この時は『ウォール街』っていうチャーリー・シーンの映画がありましたでしょ? あれが大好きで、証券マンになって向こうで働きたいって思いがあったものですから、大学に行って勉強してたんですけどね。いかんせんバックパッカーで西側全部を回ってるときに「国の自慢話をしろ」って言われて、何も話せなかったんですよ。日本文化を勉強しなきゃな、と思ってパッとみたら、目の前に落語があったもんですから。何気なしに入り込んでみたら、面白いなと思って。責任は全部自分で背負うことになるんですが、こんなに自由で無限大な世界はないなと思ったんです。
林家:実は私、その時TBSで『水戸黄門』を撮ってたんですよ。それから2週間後に彼女がゲスト主役で入ってきたんです。それで「アッ!」と思った瞬間に「この子だ!」と思って! いろんな番組に出てらっしゃるのは知ってましたが、マサカと思って。その時は「国分佐智子」と夢の中の女性がリンクしていなかったんですよ。それが合致して、その人が今嫁さんになってくれてるって・・・すごいですね! JK:不思議ですね! でも一方的な夢だけど、あちらは? 林家:なんとも思ってなかったです。単なるニコニコしてる人だなって思ったらしいです(笑) こんなスピリチュアルな世界ですけど、夢の中での知らせってあるんだなあ~って。夢の中で手を引っ張ってくれて・・・その感触もあったんです。当時助さんをやっていた東幹久さんに相談したら、ご飯会を開いてくれて。その時にline交換させてもらって、いきなり「結婚させてください」って言ったんですって(^^;) 自分はあんまり覚えてないんですが。 JK:えらい! 夢を信じて、確信もってたのね。 林家:はい。そのためにもちろん努力はしました・・・もっと落語の努力をしろって話ですけど(笑) JK:今お子様は? かわいいでしょう? 林家:4歳です。
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大学在学時代に林家こん平に弟子入りし、31歳で真打昇進。2009年には二代林家三平を襲名。シンガポールや中国など国内外で活躍しています。出水:おじいさまは七代目林家正蔵、お父様は初代三平、お兄様は九代正蔵、という落語家一家ですが、子供の頃はどんなお子さんでしたか? 林家:私ですか? みんなからお坊ちゃんって呼ばれてました(笑) JK:だって一番末っ子で、かわいがられたでしょう? 林家:先生覚えてません? うちの父親のギャグで「うちの子供が1歳なんですけど、眼ン中入れても痛くない。本当に入れたら痛かった」ってネタになってるんですよ。幼稚園の送り迎えも毎日親父が来るんです。 JK:いや、かわいかったでしょうね! 今もかわいらしいですよ(^^)でも幼稚園でも何か言ってたんじゃないですか? 林家:「運動場で遊んでいい? うん、どうじょ」とか言うんですよ(^^;) 子供ながらに恥ずかしくて。さくら組のみんなはドキドキしてました。 出水:三平さんご自身は小さいころからしゃべるのが得意だったんですか? 林家:私はね、借りてきたネコのように静か~だった。猫じゃなくて人間だけど。 JK:そんなもんですよね、周りがお話しすると聞く側になっちゃって。 林家:見るものがすごいインパクトありすぎてね。
脳の処理ができなくなって静かになっちゃうんですよ(^^;) 今思うとね。 JK:でも鍛えられて、今バクハツしてるのね。 林家:そうなんですよ、舞台に出させられて。兄貴が小三平で、私は豆三平って名前で。舞台袖にいろと言われて、「豆三平こっちに来なさい、小噺やりなさい」って言われて。その時に「パンツやぶけた、またかい」って言ったんです。そうしたらワーッとうけて! それは無理やり教え込まれてたんですよ。でもその無理やりがよかったんですね。笑いって天井を伝って、ライスシャワーのように降ってくるんですよ。それを父は体感させてくれたのかなって。 JK:でも笑点でも、瞬間的に考えるんですか? 林家:先生、あれは実は編集してるんですよ。「早く答えないと次の問題に行きますよ!」って言われることもあるんですよ。
だからその時はちょっと時間が経ってるので、切ってます。皆さん「すぐ答えてますね」って言われるんですけど、そんなすぐに出ませんよ! JK:私笑点に行ったことあるのよ、後楽園に。でもその時はポンポンッと答えてた。 林家:圓楽師匠とかは何十年もおやりになっていらっしゃいますので、慣れてらっしゃる。法則みたいなのがわかってるんですよ。 JK:みなさん先輩ばっかりで大変ね! 林家:大変です。ちょっとした老人ホームのような・・・こんなこと言っちゃいけないか、どうもすいません(笑)

それがなろうと思ったきっかけですね・・・すごい真面目にしゃべっちゃいました(笑) JK:英語の落語もやったんでしょ? すごい! 林家:はい、シンガポール大学に行ってやってきました。5分しか持たないって言われたんですよ。でも落語って13分以上あるので、ちょっと無理じゃないかなと思ったんです。大阪の枝雀師匠とかもやってらっしゃるんですが、江戸落語は動きがないんで、言葉で表現するしかない。そこが難しくて! でも向こうで落語をやらせていただいて一番びっくりしたのは、座布団の上に正座で座ること自体がおもしろいんですって! 出水:えー!(@o@) 林家:中国でとくに面白かったのは、座布団が全部シルクでできてるんですよ! つるつるして全部滑っちゃうんです! それでみんな笑ってるんだけど、滑り芸ってこういうところからきてるのかな、なんて(笑)つるつるいきますよ、あれ! やっぱり綿のほうが絶対いいですね! JK:へぇ~(笑)笑点なんかだとあんなにたくさん重ねたら、つるーん!と大変なことになっちゃうわね! 林家:均衡を保つように、ちょっと面長になってたりするんですよ。2~3個まとめて持つと本当に重いんです。山田さん持ってらっしゃいますけど、けっこう腕力があるんです(^^) JK:3つか4つドーンと持っていかれる時もあるしね。 林家:そういう時もありますね。そういう時は腕力使いますんで、いつも腰を鍛えておかないと。芸よりも腰を鍛えろ。 JK:じゃあ中国語でも落語をやって・・・うけます? 林家:いわゆる北京語に近いマンダリン語でやったんですが、各地方に行くとその言葉があるので、それでやってほしいって言われて。それはちょっと難しかったですね! 今は若手でもやる子はいますけど、一番最初は難しいんだなって思いました。
僕はまるまる中国語を暗記したんですが、日常使う言葉だったりしたので、意外と中国語の勉強の教材になるなと思いましたね。 出水:演目は何を? 林家:「時そば」が一番うけましたね。やっぱりお金の問題が一番! お金をいかにごまかすかって言うのはみんな大好きです(笑) 英語もそうだし。ただ中国は幽霊の話はダメでした。本当に怖いものなんですよ。日本の幽霊は愛情というか哀愁があるじゃないですか。中国では本当に復讐してくるのが幽霊なんで・・・だから「怖いもの」っていうんで、一切笑いが起きなかったですね。JK:大きな体験で「これはマサカ!」っていうのは? 林家:人生でこれしかないマサカがありますね。うちのかみさん(国分佐智子)と出会ったきっかけですね。落語会で紀伊半島の賢島ってところに行きまして、次の日の移動まで時間があったんで、横山石上神社っていう蛇の神様の神社に行って拝んで、宿舎に戻って寝た時にうちのかみさんが夢の中に出てきたんです。まだ会ったことないんですよ。すごいきれいな人が出てきて気持ちよかったな~と思ってたんです。

浄瑠璃人形の「ととさまの名は・・・」というフレーズを真似て、僕のことを「とと」って呼ばせてるんですが、こないだ「とど」って言われました(^^;)たしかにお腹出てるから、ちょっと痩せないと。 出水:昨年はイクメン・オブ・ザ・イヤーの1人にも選ばれてますしね。林家:マインクラフトっていうのに今はまってて、ゲームの世界で家を建てたりしてるんですが、子供の成長には敵いませんね!『千と千尋の神隠し』の湯ばぁばを見てから、うちの母親のことを「ばばちゃま」って呼んでるんですが、孫がくるとかわいいからお菓子とかあげちゃうでしょ? こっちは制限してるから止める。そのせめぎ合いが(^^;) しかも実家が二軒先なんですよ。年中帰省してるみたいなもんです。 出水:根岸の「ねぎし三平堂」は、お父様の林家三平さんゆかりの品がたくさんおさめたれているんですよね? 林家:今はコロナ禍で閉めていますけれども、実際父が使っていたメガネ、ネタ帳、そういうのがあります。 JK:そういうのが残っているから、ネタも継がれてます? 林家:それが暗号文になってるんですよ! 「夏」「水着」「夏」「すいか」って、それで記録を保っているんです。それを解読するのは難しいですね。ドイツのエニグマぐらいわからないですね。でもそれを解読できたのが、放送作家のはかま満男さんだけ。今じゃわかんない。それを解読するのはミステリーハンターみたいになっちゃう(笑) 出水:ありがとうございます(^^) そこで落語会もやってらっしゃるんですよね。 林家:そうですね、平時ですと第3土曜日の5時半から落語会をやってるんですが、1000円という価格でやらせていただいて、落語を聞いたことのない人にもっと聞いてもらおうという活動をしています。実際問題、今は50%にしてやっています。一生懸命やるしかない。無観客ほど辛いものはないですから! JK:それはリモートでもやってるわけ? 林家:やってます。私もやりましたけど、間が早くなるんですよね。とくに林家はお客様がいないと。「お母さん聞いてくださいよ」って言っても、お母さんいないんですから(^^;)いずれはお客様に戻って来ていただいて、見ていただく、聴いていただく世界なんだなって思います。

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