「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」

今日は、問題となっている野菜の廃棄ロスをどう減らすかという話。
その取り組みの1つとしてSNSなどで話題になっている「リボベジ」というのをご存知でしょうか?

「リボベジ」人気

まず「リボベジ」とは何か?農業のコンサルティング企業、株式会社イチゴテック代表の宮崎大輔さんのお話しです。

リボべジというのは、スーパーなどで買った野菜の一部を使って、もう一度野菜を育てる栽培方法のことです。

普段捨てているところから育てることができるので、非常に手軽で無料で始められるという点が人気の秘密だと思います。昔からある育て方なんですけれども、特にコロナが問題になってからここ数年で急に注目を浴びるようになったと思います。例えばこれからの時期ですと、鍋料理に長ネギもよく使えると思いますので、長ネギの根っこの部分も少し残して切っていただいて、それを水に浸けておいてください。そうしますとねぎが少しずつ伸びてきます。ある程度ネギが大きくなったら、土に植えて育てるのがおすすめです。
(株式会社イチゴテック代表の宮崎大輔さん) 

リボベジは「リボーン・ベジタブル」=つまり「再生栽培」という意味です。台所で、人参のヘタなど、普通は捨てる部分を水に浸して栽培するというあれです。

このリボベジが今、改めて人気で、宮崎さんが農業関連の情報を発信しているYouTubeでは「リボべジ」の動画は、多いもので、65万回も再生されていると。

そのコメント欄やSNSには、リボべジを始めた人たちからの書き込みがあり、コロナで自炊が増える中、お財布に優しいだけでなく、「野菜の廃棄ロスを減らせる」というのが人気の理由になっているようです。

この「野菜の廃棄ロス」への意識の高まりの中、新たに生まれた商品もあります。その名も「キャベツライス」です。

キャベツの芯を食べる

開発した株式会社サラダクラブの吉田政道さんのお話し。

キャベツライスは、キャベツの芯をお米サイズにカットした新感覚のパッケージサラダとなっています。

加熱後も、ほのかな甘みとシャキシャキとした食感が残るため、チャーハンやオムライスといった、お米の置き換えとして使用できるものとなっています。我々サラダクラブといたしましても、千切りキャベツという商品をたくさん作ってるんですけど、それを作れば作るほど、キャベツの芯というものが廃棄をしなきゃいけない、そちらの方をですね、有効活用できないかと言ったことで開発をしました。正直言いまして、実際はそんなに売れていないので、キャベツの芯自体がキャベツライスをやることで、もう極端になくなるぐらい、ということは今現状はありません。まだまだですね、販売であったりとかお客さんに対する訴え方であったりとかですね、もう少し工夫するところあるんじゃないかということで今模索はしています。
(株式会社サラダクラブの吉田政道さん)

食品廃棄を減らす「リボベジ」と「キャベツライス」の画像はこちら >>

サラダクラブはパッケージサラダなどを主に取り扱う企業。

人気のパッケージ入りの「千切りキャベツ」などを作る時に出てしまうキャベツの芯の有効活用もかねて「キャベツライス」を開発。お値段も、税込108円と、お手軽になっているのですが・・・

今、健康意識が高まり、「糖質制限」などに気を配る人も多いので話題となり、白いご飯などの置き換えとして、ダイエット目的では買われている。

★キャベツの芯は肥料!

「キャベツライス」の効果は、まだまだ限定的で、キャベツの芯のロスを無くすまでには至らない。

でも、負けないのが吉田さん達のサラダクラブ。ゼロに出来ていないキャベツの芯の受け皿になる「別の」取り組みも行っているんです。再び吉田さんのお話し。

パッケージサラダを作ると、どうしても使えないものが出てくるんですね。

そちらを、細かく砕いてですね、水分を抜いて肥料にしています。そちらの肥料をですね契約産地の皆さんに売却をして、畑で使っていただいて、またそこでできた野菜を仕入れる、ということをやっておりまして、こちらを循環型農業と呼んでいます。廃棄業者に出してお金をかけて捨てたんですね。もちろん肥料にするのも多少はお金もかかるんですが、循環ができるような地球環境にも結びつくようなお金の使い方っていうんですかね、そういうようなことを議論した結果、今のこの循環型農業をやっていこうって話になったと
(株式会社サラダクラブの吉田政道さん)

「キャベツライス」のように食品として循環できない分は、肥料にして使う。とにかく捨てない、ロスを減らす。さらに、その肥料で育った野菜をまた仕入れることで循環型農業を実現。

廃棄するにも肥料にするにもお金はかかりますが、より良いお金の使い方を、として取り組んでいると話していました。

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