「森本毅郎・スタンバイ!」7時30分過ぎからは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」コロナの3回目のワクチン接種が始まりましたが、それと共によく耳にする中和抗体検査。ワクチンの接種で出来る中和抗体を検査するものですが、その検査場が、期間限定で銀座にできて話題になりました。
そこで・・・。2021年12月6日(月)のテーマは『街で手軽に?中和抗体検査。』

数値で分かる中和抗体検査

では、ここで受ける中和抗体検査とは、どのようなものなのか。この検査ステーションを運営している、株式会社アナライザー・代表取締役の石川浩史さんに伺いました。●「この中和抗体検査というのは、抗体の中でも、ちゃんと仕事をしてくれる抗体、要するに、体に侵入する、細胞に侵入するのを阻害してくれる、こういう抗体を中和抗体と呼ぶんですね。この中和抗体が、いま体の中でどれだけ守ってくれているのか、っていうのを数値、パーセントで測れるっていうのが、我々の持っている機械での測定になります。この機械ではですね、すべてが数値で出てきますので、どなたでも基準値を上回ってるのか、下回ってのか、っていうが分かる、ということになりますので、こちらが一番の特徴かな、と思いますね。」(株式会社アナライザー代表取締役 石川浩史さん)ワクチンの効果が残っているかどうか、わかるというなのです。こちらの検査は、小さい針で、指先をチクリと刺して、血液を採って、試薬に混ぜて、検査プレートに垂らして、機械を通すだけ。だいたい10分ほどで、みなさん結果を持って帰っていきました。民間の施設なので、医療診断はできませんが、検査結果の参考値を渡されて、自分で確認します。
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【池袋の検査ステーション。窓口ひとつひとつ区切られています】
街で手軽に?中和抗体検査。
【指先から米粒大の血液を自分で採取します。ちょっとちくっとします】
街で手軽に?中和抗体検査。
【いよいよ、機械に通して、中和抗体を調べます】中和抗体検査の中には、数値が出ない曖昧なものもあるようですが、こちらの会社の検査センターでは、数値ではっきり教えてくれる。
参考値では、【20%以上と出ると、中和抗体が効いている可能性があります】となっていました。
街で手軽に?中和抗体検査。
【私の検査結果!数字で分かるのは、安心感がありますね!】ここで使っている機械はヨーロッパなどでは、すでに広く使われているのだそうですが、日本では、まだほとんど使っているところは無い。そこで、常設の検査場とは別で、広告店のような形で、期間限定で銀座店を出しました。(12月5日で終了しています。)オープンしたのが先月の3日、予約なしでOKということもあって、利用者は1300人を超えているそうです。みなさんの関心が高いのが分かりますよね。

自分の中和抗体量が知りたい!

そこで、実際に検査を受けに来た方々にお話を聞いてみました。●「あ~良かったですね、38(%)あったから。まあなんとなくホッとしますよね。第6波でも来られたときに、抗体が少ないんじゃ、なんかイヤだな~と思って。」●「やってよかった。自分抗体どれくらいあるか、残ってるか、それ知りたかった。あ、5500円高いよ(笑)。値段もうちょっと下がれば、もっとと思うんだけど。」●「たまたま通りかかって、2回目(ワクチン)受けた時に、なんかしっかり効いてるのか、効いてないのかがよく分からなかったので、なんか平均的なので、あ~ちゃんと効いてたんだな、というのがまず感想と、あとは3回目がもしやるのであれば、参考にできるな、と思ったので。
効いてる効いてないっていうのは、どうしても目に見えないものなので、そう思うとやはり見える形で、全体の統計の中で、自分はどのあたりのモノなのかな、っていうのが分かるのはすごくいいな、と思いました。」確かに3回目のワクチンを打つ際の参考になりますよね。5500円は高いよ、という話もありましたが、今後この機械を使うところが増えれば、少しでも下げていきたい、と石川社長は話していました。実は、この機械を使った検査ステーションの加盟店を募集したのですが、一週間で150件もの資料請求があった、ということなので、確かに今後増えていきそうです。現在、全国で11ヶ所の常設の検査ステーションがありますが、それ以外にも移動式の検査ステーションをする人もいて、区役所やイベントなどに出向いて、そこで、検査を受けてもらう、という形もあるとか。中和抗体検査を参考に、日々の感染対策に役立ててもらいたい、ということで、なるべく多くの人が、頻繁に受けられるように、小型の機械の販売も始めました。職場などに置いて利用してもらえれば、ということでした。
街で手軽に?中和抗体検査。
【こちらが小型の検査機械。これと検査キットで、検査ができます。】こうした中和抗体検査が身近になれば、ワクチンの3回目の接種も、〇ヶ月後などと一律に区切るのではなく、中和抗体が下がったら打つということも出来そうですよね。

あくまでも、日々の感染対策の参考に。

そうした目安に役立つ中和抗体ですが、ただ気を付けなくちゃいけないことがあります、という話が専門家からありました。横浜市立大学・大学院医学研究科の石川義弘教授のお話です。
●「中和抗体があるからといって、絶対かからないか、というと決してそんなことはなくて、おそらくたくさんあれば、かかりずらいだろうって考えられるんですけど、じゃあ、どのくらいたくさんあったらかからないのか、という結論はまだ出てないんです。これはもっとたくさんの患者さんのデータを集めてからでないと、判定できないんですね。この中和抗体検査だけじゃなくて、すべてに共通して言えることなんですけれども、こういった医学の検査というのは、100%すべて確実、というものは無いんです。だから、そもそも医学の検査ってそういうものだ、という風に考えた方がいいです。例えば、ご自宅で出来る検査キットなんかも、取り方間違えちゃうと出なくなっちゃう、ということってよくあるんですよね。あくまでも参考、ということで。」(横浜市立大学大学院医学研究科 石川義弘教授)【中和抗体がたくさんあったから、かからないわけではない】ということです。また、ほかにも注意事項として、【抗体ができるまでには何週間かかかるから、ワクチン後すぐに受けてもまだできていない】ということや、【中和抗体は、必ず減っていくので、ずっとあるとは思わない】ということも、覚えておいてください。そして、検査結果は、感染対策の参考になるので良いですが、「もう大丈夫」と思って、マスクをしない、となってしまわないように気を付けなければいけませんね。
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