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寒い日が続きますが、土日になると、毎週のように駅前に立って募金している若い人たちがいるのが目に留まりました。それは、日本で暮らすミャンマーの方々。

軍政下で困窮するミャンマー。日本から支援を

2021年2月1日、ミャンマー国軍による軍事クーデターが起きてからまもなく一年。1月23日、日曜にJR錦糸町駅で行っていた、在日ミャンマー人の団体「レボリューション東京ミャンマー」の募金活動の様子を取材しました。参加者からは、母国を心配する声が聞けました。

「ご通行中の皆様、こんにちは。私達は、在日ミャンマー人です。今まで1400人以上の犠牲者が出ており、1万人以上の国民たちが拘束されたままです。避難されている人々に支援するため、現在、募金活動を行っております…。」
(募金の呼びかけの声)

「30歳です。日本に来て、もうそろそろ10年間となりまして、今金融企業で勤めてます。家族は、父しかいないんですけども、今結構大変な状況で、まず電気代がだいぶ高くなってきた。携帯代とかもそうですし、車のガソリンとか。それに対して外資系の会社とかが撤退したりっていうことで、たくさんの仕事がなくなる人もたくさんいる中で、だけども物価が高くなってきたり。

友達とかも会社とかやってる人も、今何もできない状態で、もしかしたら潰れちゃうかもしれない。ミャンマーの貧富の差が激しくなってきたっていうのがすごく感じますね。」
(募金活動の在日ミャンマー人参加者)

▼JR錦糸町駅北口で募金活動を行う、在日ミャンマー人団体「RevolutionTokyoMyanmar(R.T.M)」

軍事クーデターから1年。声を上げ続ける在日ミャンマー人の若者...の画像はこちら >>

▼この日は13時~16時の間、寒空の下、休みなく声をあげていました。

軍事クーデターから1年。声を上げ続ける在日ミャンマー人の若者

この団体は、留学生や社会人の在日ミャンマー人、およそ40名で構成。先ほどの女性は、現地に住むお父さんの状況を教えてくれましたが、去年のクーデターと、新型コロナの影響で爆発的に物価が上昇していて、コメや油など食料、薬やガソリンなどの日用品の確保が難しくなっている状況。しかも、市民の間では仕事を放棄する「不服従運動」(ゼネスト)が広がっており、これが長期化すると収入がなくなり、ますます生活が困窮する…という悪循環に陥っています。

クーデターで未来を奪われた憤り

そこで、日本に住むミャンマー人達は、自分たちの貯金を送ったり、駅前で募金活動したりして、母国への支援を続けていますが、実はこうした団体は都内に複数あり、また全国にもさまざまあって活動しています。その特徴は参加者の多くが20代30代の若者という事。なぜ若者が声をあげるのか。この世代について、日本在住30年、在日ミャンマー市民協会のチョウチョウソーさんに伺いました。

「僕らの20代(の頃)と今の20代は、全然違う。やっぱりネット時代なので、自分たちのやりたいことを、すぐその仲間たちに、またネット上でシェアして、やりたいことをできる。あともう一つは、今の子たちは、僕らより自由な環境で大きくなってきたので、海外へ留学生として行けることもあるし、海外のメディアが、色んなメディアが自由に聞ける。自由があるから「夢」が出てきました。

日本まで来て、日本で勉強して働いて、ミャンマーに帰ったらコレコレをやろう、という夢があると思います。クーデターっていうことは、もう自分たちの夢、潰れたって感じてて、これが絶対許せないなって考えていると思います。」
(在日ミャンマー市民協会 チョウチョウソーさん)

▼「在日ミャンマー市民協会」のチョウチョウソーさんに聞きました

軍事クーデターから1年。声を上げ続ける在日ミャンマー人の若者

チョウチョウソーさんは、かつてミャンマーの民主化運動に参加し、国軍の弾圧から逃れて来日。いまは、日本政府から「難民」認定を受けて、高田馬場でミャンマー料理店を経営しています。捕まったら殺されるかもしれないと長年ミャンマーに帰れず親の死に目にも会えなかったそうですが、2011年にミャンマーが「民政移管」として民主化に一歩踏み出したことをきっかけに、25年ぶりに一時帰国を果たしています。

日本人に突き付けられる「民主主義」

その2011年以降、ミャンマーが民主化する中で育ってきたのが、今の、20代・30代。先ほどの募金活動メンバーの中には、「こんな活動しているから、もう国に帰れません」と、涙を流していた人もいたのですが、それでも寒い中でずっと、通行人に呼びかけていました。その中で、ひとり、グループの活動を手伝っているという日本人の方がいたので、話を聞きました。

「やっぱり基本的なことなんですけど、「民主主義」っていうのは何か。自由のありがたさっていうのを彼らから得ています。やっぱりこのフェイスブックとかSNS上で見て、2月1日以前のね、彼らの写真と、今の写真見たら、やっぱりちょっと、なんですかね、本当に幸せだったのに、一瞬にしてそれが失われたっていうのにも腹立たしい思いもしますし、見てて、自由民主主義っていうのが大事だなっていうのはすごく感じてて。彼らからいろいろ教わること多いです、はい。平和とか自由を享受してるっていうのをちょっと改めて、考える機会になったと思ってます。」
(募金活動の日本人参加者)

「彼らが命がけで手に入れたい民主主義を考えると、何で日本人は投票に行かないんでしょうね」と話していました。

この方は50代で、80年代からミャンマー関連の仕事をしていて通訳もできるので、在日ミャンマー人のグループを横断的にサポートしていますが、クーデターから1年たって、日本人の関心が薄れてきているのを実感しているということでした。

一方で、日本にはいま、およそ3万2000人のミャンマー人が暮らしていて、技能実習生として社会を支える人も増えていて、とても身近な「隣人」となっています。在日ミャンマー市民協会のチョウチョウソーさんは、日本の方には、隣人であるミャンマーが今どうなっているか、まず知ってもらいたい。それをみんなに伝えて、考えてもらいたい、と話していました。

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