TBSラジオ「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」毎週木曜よる9時から放送中!
「マイゲーム・マイライフ」のゲストに歌舞伎俳優の中村七之助さんがやってきました。
少し前に坂東巳之助さんにお越しいただきましたが、歌舞伎役者さん第二弾となります。
今回は、父親の中村勘三郎さんともどもゲームがお好きということで、親子のエピソードが面白かったです。
ファミスタが強かった七之助さん。父と対戦していたのですが、ある晩、事件が起こりました。

七之助「うちの兄が一番弱くて、父はその次に強くて、僕が一番強かったんですよ。僕と父がずっともうひと勝負、もうひと勝負って言われて『はい、いいですよ』と、完膚なきまでに叩きのめして(笑)。次の日が学校だったので、『学校あるのでもう寝ます』って言って僕は部屋に帰ったら、今度はうちの兄の勘九郎に『お前やるぞ』と父が言って、兄を呼んできて」
宇多丸「ええ、ええ」
七之助「それで、(父と兄が)やってたんですけど、うちの兄が弱くて、なかなかこう、燃えなかったらしくて」
宇多丸「ふふふ(笑)」
七之助「『もう一回タカユキを呼んでこい』って、あ、僕の本名タカユキっていうんですけど」

宇多丸「起こしてこい、と(笑)」
七之助「リビングに行って、『なんですか?』って聞いたら、『おい、もう一回やるぞ』って。(父は)負けず嫌いなので。でも、『いや……、明日学校なので……寝ます!』って言った瞬間に、ソフトをパーンって外に投げて『こんなゲーム二度とやるか!!!』」
宇多丸「ええええええ~~~! 大人げない!!!!」
七之助「大人げない(笑)」
宇多丸「大人げないにも程があるっていうか……すごい(笑)」

七之助「ゲームですら負けたくない」
宇多丸「負けず嫌い。でも、お兄さんの勘九郎さんもいい迷惑ですよね(笑)。なんか巻き込まれただけっていうか」
七之助「その次の日もちょっと怒ってました(笑)」
ファミスタに真剣なところも面白いですが、個人的に興味深かったのが、子どもである七之助さんが、父親に敬語を使っているところ。たいていの家庭では、父親に敬語って使わないですよね(たぶん)。父ですら上下関係があるのが、まさに歌舞伎役者一家というのが現れています。

宇多丸「たいていゲームやりたての小学校の頃とか、ゲームの制限が一日何時間とかありがちなんですけど」
七之助「僕は、なかったですね」
宇多丸「ない! まあそりゃそうですよね。本人がそこまでなんだから」

七之助「うちの父親は舞台終わってからなので、やるのが夜中からなんです。僕は学校終わって夕食までやる。で、食べて、寝るじゃないですか。うちの父親は22時から食事して、23時くらいからやり始める」
文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)
◆11月19日放送分より 番組名:「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20201119210000