TBSラジオ「アシタノカレッジ」月~金曜日の夜10時から放送中!
5月13日の放送回では、映画「教育と愛国」の監督、斉加尚代さんをお迎えしました。
斉加さんはMBS毎日放送の報道情報局のディレクターで、20年以上教育現場を取材されており、2017年にMBSで放送されたドキュメント番組「映像‘17教育と愛国~教科書でいま何が起きているのか」は、その年のギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞しました。
そこからさらに追加取材と再構成をしたのが、映画「教育と愛国」です。
斉加さんがこのドキュメンタリーを制作するきっかけとなったのは、道徳の教科書のパン屋の記述に疑問を持ったこと。
教科書には検定制度というものがあり、2017年には検定制度を受けて、パン屋の記述を和菓子屋に修正しました。
他にも、道徳の授業や教科書検定などに疑問を感じた斉加さんは、「教科書検定は圧力と忖度の世界」だと語ります。
また斉加さんが教育や教科書の異変をはっきりと感じたのは、大阪維新の会が教育改革を始めたころからだそう。
そのころから発言する先生が減っていく印象を抱きます。
大阪では、社会に対応できる「勝ち抜く人材」を求められ、「勝ち組になれ」という教育が覆っています。
しかし勝ち組ができるということは、負け組も出るということです。
さらに、砂鉄さんが映画で印象的に感じたのは、教育に政治的な圧力を加えている人たちが、「圧力を加えている自覚がない様子」だったこと。
映画では「教科書に戦争加害を書かない」ことも描かれていますが、「判断しているのは教科書を作っている人」だと態度を変えません。
しかし政治が介入して、記述を変えることは不当な支配ではないでしょうか。
それについて、映画では東京大学の名誉教授に伺う場面もあり、そこで教授は「歴史に学ぶ必要はあるかな」といった衝撃発言もありました。
他にも、斉加さんが教育に興味を持ったきっかけの保健室登校のお話、「メディアと戦える政治家はかっこいい?」、「編集作業に行き詰った時ムーミンに浸る」などについてお話しました!